【HP】ジョージ・ウィーズリーと結婚するお話⑫＊謎のプリンス＊ (ページ9)

今日:82 hit、昨日:382 hit、合計:26,361 hit

・ページ9

・

しばらく箱を見つめていたが何も起きなかったので、恐る恐る箱を開けてみた。中には青色の宝石がベースできた菱形のピアスが１つだけ入っていた。ピアスの下に二つ折りにされた紙が入っていた。

「これは闇の帝王を倒すための一つの鍵…どういう意味かしら？」

シルキーは目を伏せながら首を横に振った。

シル「詳しくは分かりません。ですが、カトレア様はこのピアスはとても大切な物だとおっしゃってました」

ピアスをそっと手に取ると、雲が動いて月が顔を出した。月の光に照らしながらピアスを見つめるとキラキラと光っていてとても綺麗だ。ピアスをじっくりと確認してから、左耳につけてみた。……特に何も起きないし、何も感じない。

夢では私は湖の中にいた。靴を脱いで指先だけ触れると、７月とは思えないほど水温が冷たかった。まるで氷水のようだ。意を決して足首を湖に入れると、水面が不自然にうねりはじめた。私は怖くなり足を湖から引き上げた。

「……この湖、何か秘密がありそうね」

シル「ええ、わたくしもそう思います。…お嬢様、実はこの湖の前でカトレア様は…その…闇の帝王に…」

「そう…お母さんはここでアイツに殺されたのね」

私は屈んで湖の水面をじっと見つめた。

「とりあえず帰りましょう。色々と考えをまとめたいから」

私はピアスに触れながら囁くと、シルキーは慌てて箒を差し出した。

・
・
・
・
・
・
・
・
・

あの夜から１週間が過ぎた。私はダンブルドアに手紙を出した。もしかしたら不在かもしれないので、校長先生がいない時はマクゴナガル先生に届くようにしたら、マクゴナガル先生から返事が届いた。校長先生は旅に出ているらしい。ホグワーツに戻ってきたらすぐに知らせますと、返事の手紙に書いてあった。

仕事を終えた私はダイアゴン横丁に来ていた。もちろん目的地は決まっている。チラッとショーウィンドウから店内を見ると、２人ほどお客さんがいるようだ。ドアを押して店内に入ると、チリンチリンとベルが鳴った。

？「いらっしゃいませ」

凛とした女性の声が店内に響いた。WWWの制服を着たブロンドで短い髪の毛の女性が私に向かってニッコリと微笑んだ。