【HP】ジョージ・ウィーズリーと結婚するお話⑫＊謎のプリンス＊ (ページ6)

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気がつくと魔法省の暖炉の中にいた。パチパチと瞬きを繰り返してから次の人とぶつかる前にすぐに暖炉から出た。あちこちで緑色の火がパチパチと燃え上がっている。トンクスさんは私を見て口角を上げると、人混みを避けながら歩き出した。

この場所でダンブルドアとヴォルデモートの一騎討ちを私はこの目で見た。その時は周りを見渡す余裕なんて1ミリも無かったので、ホールの中心に噴水と金色の石像があることをたった今知った。

人とぶつかりながらやっとのことで受付に着いた。守衛と書かれた案内板の下に、ピーコックブルーのローブを着た無精髭の魔法使いにトンクスさんが話しかけた。用意した書類を提出して杖の登録をしている間、トンクスさんが魔法省について簡潔に説明してくれた。

トン「……って感じかな。基本的に私達は２階の魔法執行部で仕事するわ」

トンクスさんの話が終わると、受付の人が杖を返してくれた。ジャケットの裏にしっかりしまうと、エレベーターに乗った。天井から伸びている手すりに掴まると、人がたくさん乗り込んできた。ほとんど知らない人だったが、一人だけよく知っている赤毛の人物がいた。

「アーサーさん、おはようございます！」

アー「ん？Aか！すまない気がつかなかったよ。その髪の毛のせいでね。よく似合ってるよ。ジョージは元気かい？」

「それはアーサーさんの方がよく知ってると思いますよ」

アー「いやいや、フレッドとジョージはとても忙しいみたいでね。最近は顔を見てない。学校を退学した時はどうなるか心配だったが…嬉しい限りだよ」

アーサーさんはニコリと笑った。笑った顔が双子に似ていて、無性に2人に会いたいと思った。エレベーターのドアが閉まり、下に降りていった。

アー「今日が初日かい？」

チラッとトンクスさんを見てから私に聞いた。

「はい、そうです」

アー「緊張してるね？Aなら大丈夫さ。私の仕事場は君と一緒で２階だから何かあればいつでも訪ねてくれ」

チンッと音と共にエレベーターが停止した。"２階。魔法執行部でございます"と声がエレベーターの中から聞こえた。アーサーさんはポンポンと私の肩を叩き、トンクスさんに会釈してからエレベーターを降りていった。

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