【HP】ジョージ・ウィーズリーと結婚するお話⑫＊謎のプリンス＊ (ページ14)

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トン「Aのお母さんについて教えてくれるその、どんな人だったとか…どんな学生時代を過ごしたのか……とか」

「私の母ですか？」

トンクスさんに私のお母さんについて聞かれるなんて考えたこと無かったので、とてもびっくりした。何秒か固まっていると、トンクスさんは眉を下げながら片手を顔の前で振った。

トン「ああ、ごめん。言いたくなかったら全然いいの！」

「いえ、まさか母のことを聞かれると思ってなくて。そうですね私の母は_______」

目を瞑りながらお母さんについて知っていることを思い出しながら、ゆっくりと喋り始めた。お母さんには直接会ったことはないけど、どんな人かはよく知っている。頭の中で私に微笑んでいるお母さんのことを考えたら少しだけ視界が潤んだ。

「____と、まぁこんな感じです」

トン「そっか、素敵な人だったんだね」

「……はい」

トンクスさんは優しい笑みを浮かべながら咳払いをして、前のめりになった。

トン「その…踏み込んだこと聞くけどさ。カトレアが学生だった頃、リーマスとその…恋人関係だったって噂で聞いたんだけど本当なの？」

「はい、本当です。母の日記に書いてありました」

トン「その…えっと…ああ、もうまどろっこしいわ！」

トンクスさんは声を荒げると、グラスに入ったバタービールを一気に飲み干して、口元についた泡を手の甲で拭った。

トン「私…リーマスのこと好きなの」

「…………へ？」

突然のトンクスさんの告白に状況が理解できず、変な声が出てしまった。

「……えっと、今なんて言いました？」

トン「何度も言わせないで。リーマス・ルーピンのこと好きになっちゃったのよ」

トンクスさんはため息を吐いた。

「ええええええ!」

私が突然大きな声を出したので、店内にいる人が一斉に私を見た。トンクスさんは慌てて私の口元を押さえた。

トン「声が大きいわよ！！！」

トンクスさんは私の声量に負けないくらいに声を荒げた。店員が私達が座るテーブルに近づいてきて、他のお客様のご迷惑になりますので…と注意された。私達は同時に深く頭を下げた。声のボリュームを落としながら、私はトンクスさんに話しかけた。