【呪術廻戦】特別な眼を持った女の子のお話＊③【五条悟】 (ページ39)

今日:4 hit、昨日:10 hit、合計:134,348 hit

＊１３７.穴があったら入りたいページ39

・
・
・
・
・
・
・
・
・

Aside

遠い意識がゆっくりとすぐそこまで戻ってきた。瞼を開けると天井のシーリングライトの光が眩しくて瞼をすぐに閉じた。

頭がぐるぐるとして、なんだか気持ち悪い…倦怠感のある体をなんとか起こすと、毛布が足元に落ちた。

ここは五条くんの家だ。正確に言うと私の家でもある。…うう、頭がズキズキする。左手でこめかみを抑えて少し前の記憶を思い出してみた。

………ああ、そうだ。家入さんと一緒にお酒を呑んでそれで……五条君に掴まりながらお店を出た所までは覚えているけど、その後が曖昧だった。

ローテーブルの上にペットボトルと四角い箱が置かれていた。手に取り確認すると、赤い文字で"二日酔いに効果抜群"と書いてあった。

ドアが開く音がした。顔を上げるとラフな部屋着を身につけ、首からタオルをぶら下げた五条君と目があった。

五「おはよう、よく眠れた？」

「うーん…頭痛いし気持ち悪いかも…」

五「はは、だろうね。ベロンベロンに酔ってたもん」

私の隣に座ると、ペットボトルの蓋を開けてくれた。
お礼を言いながら受け取り、水を半分ほど飲んだ。

五「お風呂入ってきなよ。少しはスッキリするかもよ」

「ん、そうする…」

五条君の言葉に素直に従い、風呂場へと重い体を動かした。衣類を脱ぎ、洗濯機に入れるとすでに私のパジャマが用意されていた。……見覚えのない下着までご丁寧に置かれている。

あー、頭が痛い…今度お酒を呑む時は、ほどほどにしよう。溜息を吐きながらシャワーの蛇口を捻った。

・

気持ち悪いのはまだ少し残っているが、お風呂に入ったおかげか随分と酔いが覚めた。髪の毛をある程度乾かしてリビングに戻ると、五条君はソファで横になりながらスマホを見ていた。

「着替え、ありがとう」

五「別にお礼なんていいよ、夫婦だし！それよりさ、これ見てよ！」

手招きされて五条君の隣に座ると、スマホを見せられた。そこには頬を赤らめ、フニャフニャと口元を緩めて笑う私が映っていた。五条君の手を握りしめながら、恥ずかしがることなく彼への愛を語っている。

……今の私にピッタリの言葉がある。穴があったら入りたい。だがそんな都合のいい穴は無いので、代わりに毛布を被った。