詰め合わせヒーローズ！ (ページ3)

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▽その２△ 〃ページ3

「あぁ、パスワードはお前の誕生日だぞ」

ほほ笑みながらそう言われ、
自分の顔が熱くなるのを感じた。

言われた通りに自分の誕生日を打つと
ツーショットのロック画面からホーム画面へと切り替わる。

ホーム画面までふたりの写真だなんて恥ずかしさで溶けてしまそうだ。

「電話借りるね...」

そう言って、アプリを開き【葉隠透】という文字を探す。

ふたりきりの静かな空間に軽快な機械音が鳴り始める。
電話を掛けたまではいいものの、急に緊張してきてしまった。

前から決めていたことなのに、急に断ってしまって大丈夫なのだろうか。きっと皆楽しみにしていたに違いない。それを私が台無しにしてしまっていいのか。

急用が出来た？体調が悪くなった？なんて言って断ろう。

そんなことで頭の中がごちゃごちゃし始めた時、
耳元から透ちゃんの声が聞こえた。

「もしもし、轟？どうしたのめずらしいね」

轟くんからの着信だと思っているようだ。
遠くの方で、轟くんから！？というお茶子ちゃんの声が聞こえる。

「えっと...私、A、だけど...」

「え！Aちゃん！？え！？轟くんは！？」

恐る恐る名乗れば、
さっきの比ではないくらい驚いている透ちゃんの声が返ってくる。

「ごめんね、今日透ちゃんの部屋に集まることになってたでしょ。
それいけなくなっちゃったの」

自分でも驚くくらい情けない声だったっと思う。
それに対して透ちゃんは怒ることもなく、わかった、と返してくれた。

「そのかわり！明日は私の部屋に来てね！色々聞きたいし！」

「それじゃあ、また明日」

_______＿＿轟と楽しんでね

最後の言葉の意味がわからずぼうっとしていると
耳元でツーツーという音が聞こえた。

楽しんでね

その意味はわからなかったけど、轟くんとそのあとした会話は
内容はどうってことないただの世間話でも、他の誰とするよりもずーっと楽しかった。

一番最初に書いたお話、個人的にとても気に入っていたのですが、2048文字で仕上げようとするとどうしてもごちゃついてしまうんですよねぇ...。その上中途半端な終わり方だったので、続きを書くとともに少し修正させていただきました。

彼女ちゃんにベタ惚れな轟くんがすきです。
このあときっと、彼女ちゃんは自分のスマホのパスを「0111」にします。