浅野くんとCinderella

しち ページ9

日も傾き始め、窓の外が茜色に染まる



片付けも終盤に差し掛かり、残すは搬入した用具の整頓だけとなった



あのあとから お互い 一言も喋っていない





思えば







私たちはずっと同じクラスだったはずなのに、

最近まで話したこともなかった


この前一緒に帰って、話したとき初めて知った



浅野くんが普通に驚いたり、笑ったりすること



天才だと勝手に線引きして

今まで同じ人種だと感じたこともなかった





私はひどく勝手で


そして とても失礼だ



「浅野くん」



黙々と倉庫奥で作業をしている浅野くんに声を掛けた


不機嫌な顔をしながらも此方を見てくれた



倉庫内は薄暗くて、浅野くんの顔が見えずらかった



奥に進み、浅野くんの顔がはっきりと見えるところまで来た






「何」






浅野くんを見上げ、緊張感が身体中を走るなか


自分が伝えたいことを

懸命に 頭から引っ張りだした



「さっきはひどい言い方をしてごめんなさい



、、断った理由はあまり人に言いたくなくて



詮索されて、ついむきになった」



無言で見つめ続けられることに居心地悪く感じる



許してもらえないかもしれないと思うと


泣きそうだった








不意に浅野くんの手が頬を撫でていた


正確に言うと、頬につたった涙を拭ってくれていた




自分で気づかないうちに泣いてたらしい




「浅野く、、」ｶﾞｼｬﾝ‼



全体的に暗くなった




鍵のかかる音と遠ざかる足音



ドアノブに手をかけて扉を引いてみても少しも動かない






閉じ込められた

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革ベルト

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あずきいろ

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