にじゅうに。 ページ24
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数時間ほど車——タクシーに高専近くまで送迎に来てもらった——に揺られ、教会の近くの道路まで運んでもらう。
高専と同じくかなりの山奥という事もあり、山から山の送迎はいくらタクシー運転手をしていても流石に初めてだったようで。
「本当にここで合ってるんですか?結構な山奥っすけど。」と、軽く3回は質問された。
返答をするたびに困ったように眉間にシワを寄せる運転手さんには申し訳ない事をしてしまったのかも…。
高専がもっと都心部にあれば良かったのか、それとも教会を都心部に建てればよかったのか。
ただ、今更どうしようもないだろうな。教会を増やしても管理が難しくなるし、高専が都心部にあるとかなりの批判を受けて悲惨なことになりそうだ。
関係のない犯罪さえ呪霊がどうたら、こんなものがあるからとか言われかねない。
都心部で大型特級呪霊が暴れでもしたら生命的にも経済的にも終了、と言ったところか。発生しないことを期待するしかないな。
まあ… とにかく教会には着いたのだ。
いちいち考えをこねくり回していても意味がない。思考で遊ぶのは楽しいけれど、実世界には良くも悪くも影響しないのだから。
利き腕につけた腕時計を覗く。
集会の約1時間前だ、かなり丁度いいタイミングで着けたな。
おそらくだが、大半の信者は1時間前前後にここに来るはず。いろいろな話が聞けるだろう。
それと…今日はどんなことを話そうか。
宗教の集会では開祖——その宗教を開いた人の呼び名だ——や教祖の話の他にも、信者が祈りによるご利益を語ったりすることがある。
今回は私の話で良いかな。
信者からのご利益などについて話したい、と言うならばもちろんそれもいい。
信じる者は救われる、のだ。
今回は平和についてでも話そうか。信者も活動的になるはずだし、入信者が増えればこれ以上嬉しいことはない。
ふと、「麗様!」と呼びかけられる。
せっかく時間があるんだし。最近のことでも聞いてみよう!
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山西 陽朔 - 面白い作品ありがとうございます。次回作に日蓮思想を題材にした作品を書くのはいかがですか?南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏するという教えなら、日蓮上人の名誉さえ傷つけなければきっといい作品ができますよ。 (2023年4月30日 15時) (レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リム | 作成日時:2021年3月6日 13時