ラブソングなんて、似合わないよ… (ページ6)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:2,129 hit

講義中の妄想あなたside ページ6

1限の講義。

ガチャリと控えめな音を立てて教室に遅れて入ってくるのは、いつもと同じ人物。

フサフサの柔らかそうな茶髪に、丸い眼鏡。

ペラっとした薄い体に、スラリと伸びた身長。

ゆるくてダボッとした、長い感じの服を着てくることが多い。

いわゆる、量産型の男子大学生だ。

彼は、なんかバンドやってて、あまり講義に来なかったり、来てもこういうふうに遅れてくることが多い。

バンドやってるし、たまにテレビにも出てるし、何よりイケメンだから目立ってるけど、私は学部も違うし、授業もあまり被ってないから、そこまで興味はない。

イケメンだなーとは思うけど、正直言ってよくいる感じの雰囲気だし、芸能人って時点で、私のことなんてどうせ相手にしないだろうから、特に近づこうとは思わない。

まあ、もし仮に、同じ講義の中で教授が私のレポートを良い見本として紹介してくれたりして、それを見た彼が何かしらの賞賛を私に与えてくれたり、それをきっかけに好意を寄せてくれたりするなら、考えるけどね。

そしたら、基本一人行動していて、周りのキラキラした大学生のノリから浮いてる私を見下してる同じ学部の奴らも見返せるかもしれないしね。

あのイケメン芸能人と付き合ってんの！？ってね。

あー、なんかそう考えたら気分がいいわ。

量産型だけど嫌いじゃない顔だし、もし何かの間違いで案外気が合ったりしたら、仲良くなれるんじゃないかしら。

話したことないけど、話してみて、もし中身も私好みだったら、彼氏候補にしても良いかな。

よし。ちょっと周りに自慢するためにも、そろそろ本気でイケメン彼氏捕まえに行こうかな。