愛されたいと、口に出すのは、、、 ページ3
朝7時。
週末のLIVEのためのレッスンの集合時間まで、あと一時間。
通勤ラッシュと言われる現象を構成する一人の人間として、電車に乗り込む。
イヤホンから音が漏れてないか、密着した空間で多少ドキドキしながらも毎朝のソングを聴く。
これは、意識出来ている、「昌暉」の時間。
午前9時。
レッスン開始から1時間経過。
出ないっ！
得意なはずの高音域の歌詞が、出ないっ！
朝だからかな？
「マサキお前風引いたんじゃないだろーな？」
タクミの言葉に反応する前に、トーイから発せられる言葉。
「何言ってんだよタクミ、こいつ馬鹿だから風邪引かねーだろ」
「まーくん風邪引いたらぜってー俺らも引いてることになんじゃん。おいマサキお前、うつすなよ！」
リュージは俺に対して随分当たりが強い。
「みんな！俺を心配してくれてるんだねっ！マサキは嬉しい！嬉しいよ！」
鼻の下を伸ばし、無意味に目を閉じて誰の真似ともつかない話し方で返す。
これは、正真正銘、「マサキ」の時だ。
午後17時。
レッスン終了。
「あれ？トーイ靴新しいやつ？」
ふと視線を落とした先に見つけたメンバーの変化。
「まーくんよく気づいたね。これいいだろぉー。昨日一目惚れして買ったったw」
ふむふむ。俺の観察眼は伊達ではない。
「おわ！ホントだ！気づかなかった！俺今日一番最初にトーイに会ったのに！まーくんすげぇな！」
リュージが俺の肩に手を回しながら言う。
「リュージ、こういう細かい変化を気づけないと、モテないんだぞ♡」
「うわ、こいつウゼェ！調子乗りやがった！！！wなータクミ！マサキがうぜえよー」
「マサキモテるもんな、実際。」
タクミは前髪を気にするように一回かぶりを振りながらさり気なく応える。
「やっぱり？」
「だから、やっぱり？とか言うからダメなんだって！」
さっきと同じウザイ顔を作って言うと、トーイの突っ込みが入る。
ウザキャラ炸裂矢部くん、もとい、こっちの「マサキ」はまだまだ続く。
午後22時。
帰宅後しばらくは「昌暉」でいたけど、ブログを上げるときには再び「マサキ」が登場。
今日の出来事を思い出す。
何にしようかなぁ。
まずはレッスンのこと、そこから次のLIVEのことにもつなげよう。
あとは、帰りにメンバーでアイスを食べたことかな。
夜にアイスを食べても寒さよりも美味しさを感じられるなんて、春になったなぁ、と。
ブログタイトルを載せて投稿。
これで今日の「マサキ」はおしまい。
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作者名：苺ミルク | 作成日時：2017年4月28日 3時
