やらかさずに生きよう。ばーじょん2

じ ページ38

「ン、Aさんの指…甘くて美味しいです…、」
「ひぃぃっと、とと透さんやり過ぎです！早く離し、いやあああそこ関係ないいい！！！」

透さんはそのまま全く関係ない手のひらにちゅ、とキスを落としてきた。やっだ、あむあむの唇めっちゃプルプル。こんな事実切実に知りたくなかった！

そのままあむあむは私の手を自分の頬に押し当てスリ、と頬擦りした。そのまま私の顔を見つめるあむあむの顔のなんと甘いこと、こんな顔されたらそりゃターゲットの皆様は釣られるだろうね！私は恥じらいと恐怖しかないけど！！！

「と、透さん…何が目的ですか！？」
「Aさんの中に俺自身が入り込めれたら良いなと思いまして。」

掌に感じる透さんのサラサラな髪の毛とか、すべすべなほっぺとか、親指にあたる長い睫毛だったりこんなの意識するなと言われても無理だと思うよ透さん！

これ本当にやばい、これが1日続くの？まじで？
え、本気でショートする…無理耐えられない…と思った私はこうしてベストフレンドからメールで送られてきた【あれ】を行うことにしたのであった。

ちゅ、とまた掌にキスを落として漸く手を離してくれた透さんの袖をつまんで少し引っ張る。

「透さん…」
「何ですか、Aさん？」

あああ今からあれ言うのかーって思ったらまたちょっと目から塩水出そうになって目うるうるだがここで言わねば女が廃る、そして私が糖分過剰摂取で死ぬ！顔が赤いことなどを全て無視し、意を決して俯いていた顔を上げて透さんにこう言った。

「は、恥ずかしいので、その…あ、あまり…いじめないで…？」

なーにがいじめないでだよと思った皆、覚えとけよ私も内心それなんだからな！しかしこれがベストフレンドから送られてきた内容なのである。どうもこれをやれば効果は抜群らしい…。

ぽかんとした顔をした透さんを見ながらこれ効果無くね？やっぱいじめないでは辛い台詞だったわーなんて考えていたら透さんはハァーと長い溜息を吐いた後そのままハンドルに項垂れながら「殺す気ですか」と悩ましげに言った。

え、まじで？これ効果あったの？

チラリとこちらを見ながら「これで…そのまんまなんだよな」なんてボソリと呟いた透さん。

「透さん大丈夫ですか？」
「大丈夫じゃないですけど大丈夫です。頑張って我慢します。」
「我慢？」
「さて、それじゃ遊園地に行きましょうか。」
「あ、はい！」

私は車を降りながら友達を信じて良かったと切実に思うのであった。

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