や す こ と す ば こ 。

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…嫌な噂を聞いた。









’大倉くん’には大事な幼なじみが居るらしい。









その子は美少女で病弱。要するに美人薄命、ってことかな。









昔からその幼なじみちゃんを守っていたらしく、









今もその子が心配で離れられない。









でも、’大倉くん’はそのことを苦痛に思ったことはなく、逆に喜々としているよう。









″その子とずっと一緒に居られる″と─。









この噂がほんまかは知らない。









けど、仮にほんまやったとする。









その場合、私と病弱な幼なじみ、どっちを取る?と言われたら、









’大倉くん’は迷いなく幼なじみちゃんの方へ行くと思う。









赤「……安子?」




青「うわっ、あ、すばちゃん」




赤「どうしたん?ぼーっとしてたみたいやけど…」




青「んーん、ちょっと考え事。」




赤「…あんな噂気にせんでええんやで?」









その噂を聞いた時、たまたますばちゃんも一緒だった。









赤「…ほんまやとしても、大倉は絶対安子をとるから。」




青「…それはどうやろう。」




赤「え…?」




青「…だって、最近出会った私と昔から一緒に居た幼なじみやで?どう考えても…









幼なじみちゃんの方が大事やん。」









私はきっと泣きそうな顔してたと思う。









青「…もし」




赤「もし…?」




青「もし、’大倉くん’に別れようって言われて、笑顔で良いよ、って言えるかなぁ…?」









そう告げて、すばちゃんを見上げると同時に頬に温かい何かが流れた。









青「…あれ」









あかんなあ…これじゃ’大倉くん’のこと諦めきれへんやん…。









赤「…安子っ」









すばちゃんが優しく抱きしめてくれる。









…ごめんね。こんなに弱い私で。









その時の私にはすばちゃんの声なんて聞こえなかった。









赤「…あたしが守ってあげるからな」









こんな声なんて、









聞こえてなかった。









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