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「…けんちゃん?」
「Aの部屋、送ってく」
部屋まで送る、なんて言われたもんだから
私の渾身の告白は無かったことにされたのか
ってひとり落胆して、まだ隣を歩いてるのに落ち込んで
「…送ってくれてありがとう、じゃあおやすみ」
「…待って、ちょっとだけ上がらせて?」
かと思えば、
ついさっき告白された相手の家に上がり込もうとしてる彼
「…大事な話があんねん」
大事な話、なんて言われたら
拒否することもできなくなっちゃう
私はただ頷くことしかできなくて、
けんちゃんを家へと招き入れた。
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「…水、しかないけど」
「何でもいい、ありがとう」
かろうじて前日が三日に一回のお掃除デー。
部屋は比較的片付いていて良かった。
「話してもええ?」
「…どうぞ、」
ゴクッと、ビールのように喉を鳴らして
水を飲み干したところで彼が口を開いた。
「…俺、実はアンドロイドやねん」
「はぁ?」
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「…だから、俺、アンドロイドやねんて」
「……え、」
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私の好きになった彼、アンドロイドだったそうです。
…ここまでが、昨日の話。
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作者名:葵 | 作成日時:2017年3月6日 20時