【刀剣乱舞】刹那、命尽きる。【加州清光】 (ページ2)

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第一夜喪失ページ2

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「ねえ主、明日は一緒に買い物付き合ってよね」

「ふふ、はいはい。仕事終わったらね」

「ほんと？やった、いつもより可愛くしなきゃ」

こんな他愛もない日常も

「主、はやくお休みください。明日もはやいんですよ」

「わかってるよ長谷部。明日もお願いね」

「はい、この長谷部にお任せください」

明日も当たり前に来ると思っていた

「主！！襲撃だ！！」

「な…んで…ここに…」

「とりあえず主は逃げて。俺が食い止めるから」

「清光…！！」

気づけば、何もなくなっていて
笑い声も、足音も、話し声も、
誰かが怒られている声も、
炊事場からのいい香りも、
畑の土の匂いも、稽古場からの音も、
何もかもが聞こえなかった。

「…ぁ………ぁあ……」

どうして。
どうしてみんな私を置いていくの。

「いや…いやよ……」

どうして何もかも奪っていくの。

「みんな………どうして……」

力がほしい。
みなを守れるくらいの力がほしい。

「…いやぁぁぁぁ！！！」

立ち尽くした私の周りには
何十もの刀剣が、粉々になった姿で
散らばっていた。

「……主」

「………私は、何もない」

「…俺がいる。主さえいれば、また戻れる」

残された、愛しい初期刀。
たった一振りだけ残された、加州清光。

私はまた、懲りずに
刀を必死で打った。

何度も何度も。