って君は【Taiga.K】 (ページ4)

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epiSode 4 ページ4

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「…え？」

「お願い。描かれてみたいし、それに君も描く題材に困らなくてウィンウィンじゃない？」

色んなポーズするよ！だめかな？
と、両手を合わせ首を傾げる。その度に、長い前髪の金がふわりと揺れる。

確かに魅力的なお願いかもしれない。顔が整っている人というのはどうにも描くのが難しくて、学友の中からモデルを探すとどうしても黒髪か茶髪しか描けない。正直、描ける幅を増やしたいとは思っていた。

中性的な顔立ちのモデルの様な彼を上手く描けたらどれだけ良いか。それに、キリッとした瞳でこちらを見つめられたら、はい以外の答えなんて言えない気がした。

「…いい、ですけど、」

「え！ほんと！？」

ぽつりと、了承の返事をすると食い気味に声を上げぱあっと表情を明るくする彼。なんだか気が抜ける。

「い、いいですけど！先輩、部活は？」

「あ、おれね、帰宅部なの。だから毎日でもここ来るよ」

うきうき、にこにこ、という擬音が似合いそうな表情と、明らかに明るくなった声色。見ていて飽きない人だなあと思った。

それから、決まりを作った。
まず、彼の事を描くのは部活がある水曜日と金曜日。
集合場所はこの机。用事があったりして来れない時は、事前に連絡すること。

連絡するに当たって、連絡先を交換した。SNSアプリの友達欄に、数少ない男性の名前が増える。

「…大我、って言うんですか？」

「そう、京本大我」

彼の連絡先を開けば、ペットなのだろう犬の写真と、大我、の2文字。

「じゃあ、京本先輩」

「ええ、大我って呼んでよ」

ふふ、と目を細めてそう言う彼。男の人を、しかも先輩を下の名前で呼ぶなんて。何だか凄く小っ恥ずかしくて、声が段々尻窄みになる。

「…大我、せんぱい」

「そう！よろしくね、Aちゃん」

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