epiSode 22 ページ22
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絵が完成して少しすると、ちょうど部活動の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
「ちょうどいいね。一緒に帰ろっか」
「え、っ、…はい」
気持ちを、自覚してしまったからだろうか。先輩のその言葉にさえ、吃ってしまった。
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「せ、先輩。今日は、送って貰わなくて大丈夫ですから」
「やだ。素敵な絵描いてくれたんだし、送らせて」
私を駅まで送ると先輩が遠回りになってしまう事を知ったから、申し訳ないと断るのに、先輩はお礼も兼ねて、と諦めてくれない。
「でも、結構戻らなきゃいけないじゃないですか」
「大丈夫だって。…ほら」
自分の駅を先輩が通り過ぎようとするから立ち止まると、痺れを切らしたのか、先輩が此方へ近寄ってきて。
ぎゅっ、と私の手を握った。
「え、あ、あの、大我先輩」
「ほら行くよ、遅くなると危ないっしょ」
握った私の手を引くと、ぐいぐいと優しく引いて私の使っている駅の方へ歩く先輩。
優しいと思えば、こういう少し強引なところもある先輩に、体温が上がる。
中性的な顔からは意外な、結構骨張った手の感触。先輩の体温が、あたたかい。
「…ありがとう、ございます」
「それは、こっちの台詞」
少し前を歩く先輩に肩を並べるように距離を縮めると、ただ手を繋いで歩いている男女、という画になって気恥ずかしい。
「あ、そういえば、もう髪切るんですか？」
「ん、そーだね、明日には切るつもり」
結構行動力があるんだな、と関心して、隣を歩く先輩の少し上にある頭を見上げる。
「綺麗な金髪。短くなっちゃうんですね」
「長いままの方がいい？」
「いや、短いのも見たいです。似合うだろうし」
夕日に照らされて光る長い金糸が、私は結構お気に入りだけど。
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Luna(プロフ) - 初めまして。素敵なお話ありがとうございます。とても胸きゅん話でしたっ！！ (2021年4月11日 18時) (
レス) id: acb6885805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：快眠 | 作成日時：2021年1月7日 1時
