検索窓
今日:24 hit、昨日:31 hit、合計:125,009 hit

epiSode 2 ページ2

.



「Aさんごめん、職員会議があるから先に部室開けといて!」



と申し訳なさそうに美術室の鍵を差し出してきた先生に笑って、おっけー、と鍵を受け取る。



いつも美術室には一番乗り。先生が鍵を開けるよりも先に着いていることもあるくらい。
今日もやっぱり一番乗りで、可愛らしいキーホルダーのついた鍵で美術室を開けて、いつもの特等席__窓際の真ん中の席に座った。



昨日の絵は完成したから後で見てもらう為に出しておこう。今日は何を描こうか。



丁度いいモチーフは無いかと、もう見慣れ過ぎてしまったこの部屋を見渡していた時だった。



「せんせーぇ」



立て付けの悪い重い木の扉がガララッと音を立てて開き、凛とした、けれど間延びした声が部屋に響く。



ぱっとそちらに顔を上げて、真っ先に目に飛び込んできたのは、明るい明るい金髪だった。



「あれ、…ねえ、美術の先生、いないっすか?」



どうやら先生を探している様で、部屋に一人座っている私に気付いたのかこちらに声を投げかけてくる。



ふ、不良だ。ヤンキーだ。
目で見た情報だけでそう判断してしまうと、いつも通りの声が出せずに喉が引っ掛かる。



「え、と…今、職員会議で」


「あー、そっか。俺提出物出しに来たんだけど」



なんとか返事をすると、ちぇっ、とでも言うようにぽりぽり頭を搔く男子生徒。
少し緩められたそのネクタイの色からして、ひとつ上の学年_2年生らしい。



先生が居ないのならまた時間をあけて出直して来るのだろうか、と思った矢先。扉にいた彼が、スタスタとこちらへ近付いてきたものだから思わず肩がこわばった。



「絵、描いてんの?美術部?」




.

epiSode 3→←epiSode 1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (261 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1185人がお気に入り
設定タグ:SixTONES , 京本大我 , ジャニーズ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Luna(プロフ) - 初めまして。素敵なお話ありがとうございます。とても胸きゅん話でしたっ!! (2021年4月11日 18時) (レス) id: acb6885805 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:快眠 | 作成日時:2021年1月7日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。