求婚...年の差３ (ページ10)

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１０話目ページ10

(無意識に煽ってくんの...心臓に悪ぃわ。)

「泊まりてぇ...んか？」

「ん、んー、本音はね。でも勝己兄ちゃん、お正月位はちゃんとご家族と過ごさないとだし、無理は言わないよ。」

Aはそう言うと冷蔵庫からコーラを取り出し、俺から体を離した。

確かにヒーローやり始めてから、正月に休めるのは何年か振りで...たまには親父の酒の相手をしてやりたいとは思う。

でも...。

「帰っても...１人なんだろ？」

「1人で大丈夫だよ。もう高校生なんだから。」

「泊まる...か？」

「わ、私に気を使わ「俺がAと居てぇんだよ、悪ぃか？」」

ビールを片手に、ソファに座るAの頭を撫でてやった。

「う、嬉しい！ほんとに良いの！？」

「嘘なんかつくか、めんどくせぇ。あー、泊まんなら赤ワイン飲んどきゃ良かったわ。」

ソファに腰を下ろし、プシュッとビールを開けながら苦笑いをする。

「ありがとう、勝己兄ちゃん！ありがとう〜！！」

「飛びかかってくんなや！ビール零れんだろがよ！」

ガバッと覆い被さる様に抱きつかれ、満面の笑顔のAを見て、(どこまで甘ぇんだよ、俺は...。)と心の中で呟いた。

「勝己兄ちゃん！！お風呂がすごい事になってる！何これ！？すごーい！！」

バスルームに入ったAが大声で歓声をあげる。

クソ髪に勧められた薔薇風呂ってヤツを頼んでやっていた。

湯船一面に浮かぶ薔薇の花、花、花...。

最初聞いた時は否定していたが、彼女が死ぬ程喜んだから絶対にしろ！！と言われていて何となく頼んでみただけで。

予想以上に喜ぶAの姿を見て、頼んで良かったとクソ髪に少〜しだけ感謝をした。

「ネックレス付けとったんか？」

「うん。冬休み位しか付けられないし、普段は勿体なくて付けられないよ。」

湯船に浸かり、薔薇の花を持ちながら遊んでいるAの首元に、去年プレゼントしたネックレスが光っている。

「似合ってんじゃねぇかよ。」

「そうかな？何かまだ私には不釣り合いな気もするよ？」

恥ずかしそうにネックレスを撫で、幸せそうに微笑んだ。

「んなもんに不釣り合いも何もねぇわ。」

そう言いながら湯船に入ると、俺に背を向けて座り直すA。

「逃げんな、おら...。」

「そ、そっち向いたら、や、夜景見えなくなるから！」

「...そうかよ。」

そっと後ろから抱き寄せ、Aの頭に顎を乗せる。

(ったく、見え透いた嘘つきやがって。)

薄ら笑いを浮かべ、小さな体をぎゅっと強く抱き締めた。