求婚...年の差３ (ページ7)

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７話目ページ7

「で...何処に行きてぇんだよ？」

「う...うーん、初詣？」

車に乗り込み、ゆっくりと走らせながらAに聞くと...赤い顔をして答える。

「初詣行くのに...何顔赤くしとんだ？変な事考えてんなや。」

「っ、ん〜...その言い方...やだ。」

「飯食いに行くぞ。予約とってあっから。」

むにっとAの頬を掴んで微笑み、俺は予約していたホテルへと向かった。

「か、勝己兄ちゃん...ここって...ドレスコード無いの？」

「んなもんあるかよ。おら、行くぞ。」

だだっ広い豪勢なホテルのロビーを見て、Aは顔を引き攣らせて俺の手を握ってくる。

フカフカの絨毯が敷き詰められ、シックな感じでまとめられているロビー。天井からは豪奢なシャンデリアがぶら下がっていた。

「予約している爆豪です。」

「お待ちしておりました、爆豪様。ご希望通りのお部屋を用意させていただきました。ごゆっくり...お寛ぎ下さいませ。」

綺麗な笑みを浮かべ、フロントマンがカードキーを手渡してくる。

「早よ来い。キョロキョロしてんじゃねぇ。」

「え？あ...うん。」

物珍しそうにあちこちを眺めているAの手を引いてエレベーターに乗り込んだ。

「場違い過ぎるよ、勝己兄ちゃん...。」

「何緊張しとんだ？クソ髪...烈怒頼雄斗も来る様なとこだから大丈夫だわ。」

「...切島さんに失礼だよ？」

「失礼...？何処が失礼...なんだよ？クソ髪だぞ、クソ髪！？」

真剣な顔で注意してくるのを見て、俺は思わず吹き出してしまう。

「あー、笑うんだ。...もう。」

「んな気ぃ使う様な奴じゃねぇんだよ、あいつは。」

そうこうしているうちにエレベーターが目的階に着き、手を繋ぎ直してレストランに向かった。

「いらっしゃいませ。ご予約賜っておりますでしょうか？」

「爆豪です。」

「爆豪様、ご来店お待ちしておりました。こちらへどうぞ。」

ビシッとした風貌のウェイターが案内した席は大きな窓の隣で、暮れていく街並みや海がとても綺麗に見える。

「うわぁ...綺麗。海がオレンジ色...。」

「夜景が綺麗なんだとよ。って、座れ。」

ウェイターは椅子を引いて、Aが座るのをじっと待っていた。

「あ！すみませ...ん...。」

「いえ、ここからの景色は素晴らしいですからね。では後ほど...ご注文をお伺いに参ります。ごゆっくりどうぞ。」

微笑みながらお辞儀をして、席を離れていく。

俺が呆れた顔をしていると「緊張...する。」と小首をかしげて笑った。