求婚...年の差３ (ページ6)

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６話目ページ6

「うーん、勝己兄ちゃん屈んでくれないと届かないでしょ？」

「させっかよ、また撮られんぞ？」

俺がそう言うと、ハッとした表情で辺りを慌てて見回し出した。

「...嘘だっつうの。もう撮られる事なんざねぇわ。」

「っ！勝己兄ちゃんの嘘付き！」

「どうしたの、正月早々バカップルがイチャついてるのかなぁ？騒がしいなぁ。」

ババアがニヤニヤ笑いながらドアを開け、俺とAを茶化し出す。

「あ、明けましておめでとうございます！今年もよろしくお願いします！」

「明けましておめでとう、Aちゃん。今年も勝己の事よろしくね。」

「はい！こちらこそです！」

「俺は無視かよ、ババア？」

「...あんたの事ちゃんと頼んどかないと、捨てられちゃったら困るでしょ！？」

「捨てられねぇわ！正月早々アホか！？」

玄関先で小競り合いをし、和気あいあいと話し出した２人を置いてリビングに向かった。

「あ、勝己くん、お帰り〜。明けましておめでとう。」

「おう、おめでとう。相変わらずだな、親父。」

フワフワとした笑顔を浮かべて新年の挨拶をしてくる。

「勝己くんも飲む？」

親父は日本酒の熱燗を飲んでいて、お猪口を高く上げて誘ってきた。

「...車乗るから飲めねぇ。また今度付き合う。」

「そう。残念だなぁ。」

そう言ってグビッとお猪口を傾ける。

「勝己、あんた今夜は？」

「あー、Aと飯食いに行く。」

「あっそ。あんまり夜遅くまで連れ回しちゃダメよ？」

「おう。って、Aは？」

てっきり上がってくるもんだと思ってた俺は、玄関の方を見ながら聞く。

「上着とか取ってくるって。すぐに来るんじゃない？あ、年賀状、部屋にあるからね。」

「帰ったら見る。」

冷蔵庫を開けてコーラを取り出し、ソファに腰を下ろした。

「勝己、今年はマスコミに追われんじゃないわよ？前の時大変だったんだからね。ご近所にもご迷惑かけるし、Aちゃんの所も大変だったんだからね。」

「もう...んなヘマしねぇよ。」

「勝己兄ちゃ〜ん！」

Aは俺の名前を呼びながら、リビングに入ってくる。

「あ、おじさん！明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」

「はい、明けましておめでとう。高校はどう？頑張ってる？」

「はい！楽しく通ってます！」

嬉しそうに話すAの姿を見て、親父も嬉しそうに笑う。

「A、両親は？」

「あ、出掛けてるよ。」

挨拶に行こうと思ったが、また日を改めて行く事にした。