４９話目 ページ49
三つ子の育児は死ぬ程大変で...眠る暇も無くAは面倒を見ている。
「代わってやっから少しは寝ろや。」
「大丈夫！この子達が寝た時に昼寝してるし。」
「まとめて寝る時ねぇだろが。」
長男の柚己と二男の結己を両手に抱いて、俺はあやし始めた。
「それがあるんだよ、奇跡の瞬間だね！」
長女の愛妃のオムツ替えをしながら楽しそうに話す。
最近の３人は表情が出てきて、あやすと笑う様になった。
「しんどい時はちゃんと頼れよ？俺のガキでもあんだからよ。」
「うん、わかった。限界来たら投げ出します。」
「最近益々...俺に似てねぇか？」
愛妃は髪の色はまんま俺、目付きも...俺に似てきてる。
「勝己兄ちゃんの完全コピーだね。」
「柚己と結己はAそっくりだな。皆...可愛くて堪んねぇわ。」
ふふっと笑うAの頬に唇を合わせて耳元でこう囁く...。
「まぁ、一番可愛いのは...Aだけどな。」
「...あ、ありがと...私も勝己兄ちゃんが世界で1番...大好きだよ。」
恥ずかしそうにそう言って、頬に軽く唇を合わせてくる。
「そういやよ、来月の結婚式...披露宴は本当にしねぇんだな？」
「しつこいなぁ、しないよ。教会でこじんまりで良いの。」
「ドレス...いっぱい着たくなかったんかよ？」
カタログを見て綺麗だと眺めていた姿が忘れられない。
「大丈夫。それよりもこの子達に可愛い洋服着せる方が幸せなんだもん。」
「ま、着たくなったら...ドレスなんざいくらでも買ったるわ。」
「買ってもらってどうするの！？ねー、愛妃ちゃん？」
あー、うーと返事をした愛妃に微笑みかけるAを幸せな気持ちで眺めていた。
結婚式当日。
チビ達はお互いの両親に任せ、用意の為に２人で入った。
「勝己兄ちゃん、入っても良い？ドレス着たよ？」
控え室のドアをそっと開け、中を覗き込んでくる。
俺が頷くと歩きにくそうにウェディングドレスの裾を持ち、ゆっくりと近寄って来た。
純白のドレスにヴェールを纏い、あまりの綺麗さに息を呑んだ。
「似合う...かな？」
「似合い過ぎてて...驚いたわ。」
「勝己兄ちゃんも白のタキシード似合ってるよ。」
「タキシードなんざ撮影で着まくっとるから珍しくも何ともねぇだろ？」
ふわっとAをお姫様抱っこし、「一生離さねぇ。」と首筋に顔を埋める。
「私も離さないし...離さないでね。」
きつく抱き合いながら深い深い...口付けを交わした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 104人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：梅シロップ | 作成日時：2017年9月25日 3時
