求婚...年の差３ (ページ5)

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５話目ページ5

(顔...あっちぃ...な。)

額に手を当て、天井を見上げる。

Aの話を他の奴らにされるのは慣れない。

正直...小っ恥ずかしい。

テーブルの上に用意されているペットボトルの水を手に取り、一気に飲み干した。

「爆心地！勝手に戻っちゃダメじゃないか。」

「爆心地...照れてんのか？」

部屋に戻ってきた途端に２人は、同時に俺に話しかけてくる。

「う...うっせ、てめぇに最後だっつってただろが！勝手に人の女の話...すんなや！」

空になったペットボトルをゴミ箱に投げ付けながら叫んだ。

「あ...ご、ごめん。つい...でも可愛いのは事実だろ？」

「...俺も彼女...欲しくなるな。」

俺は２人の言葉を無視して着替え始め、スマホを取り出してAにLINEを送る。

「...先に帰るわ。」

「う、うん。お疲れ様。」

「またな、爆心地。」

後ろ手に手を振りながらドアを閉め、スタジオを後にした。

「今から...30分位でそっち着くから出る用意してろ。」

「わかった！思ったより早く終わったんだね？」

「...まぁな。」

「じゃ、急いで用意する。安全運転で来てね。」

「わーった。」

Aに電話をしてから、実家に向かって車を走らせる。

どこに連れて行ってやろうか、何を食わせてやろうかと考えていると、ふと...今朝の電話の内容を思い出した。

(...今朝のが本気なら...連れてくのはあそこしか...ねぇか？)

車を路肩に止め、ある所に電話をかける。

海沿いにある小洒落たホテルで、そこのレストランから見える夜景が綺麗だと...クソ髪が言っていたのを思い出した。

年末年始は混んでるかと思いきや、タイミング良くキャンセルが出たらしい。

(ま、Aが本気じゃなけりゃ...飯だけ食って帰るとすっか。)

そんな事を考えながら運転していると、あっという間に実家に到着した。

車から降りた瞬間、後ろからAが飛び掛ってくる。

「勝己兄ちゃん、お帰りなさい！」

「あの...な、体勢悪ぃ時に飛び付いてくんじゃねぇよ！顔面ぶつけそうになったわ！」

「イケメンが台無しになったら困る〜。」

背中から降りて、心配そうに俺の顔を覗き込んできた。

「アホか、んな事で困んなや。俺の顔だけが好きなんかよ？って、イケメンじゃねぇし。」

「ち、違う！違うよ！勝己兄ちゃんの全てが大好き！！」

満面の笑みで俺の頬に触れ、背伸びをしてキスしようとしてくる。

「公衆の面前で...何考えとんだ！？」

額をポンと叩き、実家の門扉に手を掛けた。