求婚...年の差３ (ページ37)

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３７話目ページ37

しばらく待っていると、校門が開く物々しい音が聞こえてきた。

スマホを弄りながらチラと視線をそちらに移すと、Aがこちらを伺い見ている。

「うわ、爆心地だ！」

「彼氏のお迎え、羨ましい〜！！」

Aのクラスメイトだろうか？

背中や肩を叩いて茶化しているガキが数人。

内心めんどくさいと思いながら...俺は首だけを動かして頭を下げた。

「きゃあ！爆心地に挨拶されちゃったぁ！！」

「ね、A！一緒に写真撮ってくれないか頼んでみてよ〜。」

黄色い声が大きくなり、バシバシとAは叩かれている。

(写真だ？んなめんどくせぇ事お断りだわ。さっさと掴まえて帰るか。)

そう思った俺はゆっくりと校門の方へ歩き出した。

するとAは首を振り、こっちへ来るなと合図を送ってくる。

「おい、こら、いつまで怒っとんだ？さっさと帰んぞ。」

「...か、帰らない！と、友達と遊んで帰る！」

「え、A、カラオケ行かな「やっぱり行く！行こう！」」

クラスメイト１人と腕を組み、逃げる様に早歩きし出した。

「待てや、逃げんな！」

「逃げてない！遊んで帰るだけだもん！」

小走りでAに追いつき、肩を掴んで引き止める。

「きゃっ！」

Aでは無く、周りに居たAのクラスメイトが驚いた様な声を上げた。

「驚かせて悪ぃ。こいつ連れて帰「仕事サボる様な人はやだ！」」

「駄々こねんなや。」

「駄々じゃな「A、素直になんなよ〜。電話出る時、嬉しそうに微笑んでたくせに...。」」

「そうそう！爆心地さんだって暇じゃないと思う。Aの為に時間を割いて来てくれてんだよ！」

「せっかく来てくれたんだから帰りなって！ね？」

Aの頭をぐりぐりとしながら、クラスメイトが口々に話し出す。

「や...だから「じゃあね、私達行くわ！またLINEして！」」

ニヤニヤと笑って、クラスメイト達は楽しそうに駆け出し...。

Aは行かないでとばかりに手を伸ばしたが、その姿はあっという間に見えなくなった。

「...もう。」

ポツリと独り言を言い、Aは項垂れる。

「良いクラスメイトじゃねぇかよ。」

俺は俯くAの顔を覗き込み、わしわしと頭を撫でてやった。

「勝己兄ちゃんのバカ...。」

「バカじゃねぇわ。卒業おめでとう。」

「あり...がとう。」

チラと横目で俺を見て、気まずそうな態度。

「とりあえず車乗んぞ。あっちに停めてっから。」

駐車場を指さして話しかけると、Aはコクリと頷いた。