求婚...年の差３ (ページ36)

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３６話目ページ36

「爆豪、もう帰って良いぜ！」

「あ？まだ昼過ぎだろうが「良いって、良いって！！早く行ってやれよ！！」」

３月になり、今日はAの卒業式。

その話を何気無く切島にしたら、早く帰れとうるさいのなんの...。

「...こんな時間に会いに行ったら、逆に文句言われちまうわ。」

「そうか〜？喜ぶと思うぜ〜？」

俺の手から書類を奪い取り、にやにやと笑う。

「だぁら！！あいつは仕事ほっぽってったらうるせぇんだっつうの！」

「今日は特別じゃねぇかよ。怒らねぇよ！さ、行った、行った！！」

俺に上着とカバンを強引に手渡し、無理矢理に立たせてきた。

「...俺が居なくて...大丈夫なんか？」

「任せとけ！今日は幸いな事に現場入ってねぇじゃねぇか！」

「そう...だけど...よ。」

チラ...と時計を見、ふぅとため息をつく。

「んなら...行くわ。何かあったらすぐに電話「電話するする！するから早く行け！」」

まるで犬か猫を追い払うかの様に手でシッシッとしてくる。

そんな態度の切島を無言で睨み付けながら俺は事務所のドアに手を掛けた。

「もしもし？今どこに居んだ？」

「ど、どこって...学校にまだ居るけど...勝己兄ちゃん、どうしたの？」

車に乗り込んでAに電話をかける。

「もう帰れんのか？」

「あ、う...うん、帰れるよ。」

「迎えに行くから待ってろや。着いたら電話する。」

「えっ！？仕事はどうし...」

案の定...仕事はどうしたと聞いてこられて俺は黙って電話を切った。

最近は自分の為に仕事をおろそかにするなとか偉そうな事を言う様になり、卒業式の日も会わなくて良いと言われていて...。

(学校ん着いたら...怒られんだろな。)

そんな事を考えながら車を走らせ始めた。

学校の近くに着いてAの電話を鳴らすと...出ない。

「...気付いてねぇんかよ？」

その後、何度かけ直しても繋がる気配無し。

(怒っとんのか？ったく...。)

車を近くのパーキングに入れ、雄英の校門前からまた電話をかける。

(...やっぱり出ねぇ...。待つしか...ねぇか。)

相澤先生に電話をして校内に入る許可を貰うか...とも考えたが、理由がカッコ悪過ぎてそんな事頼めるわけが無い。

とりあえずLINEで『校門前で待つ。』とだけ送り、俺は学校のくそ高い塀に背中をもたれかけた。