求婚...年の差３ (ページ34)

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３４話目ページ34

外に出るといかにも冬...というキンとした冷たい空気で、シャツ1枚の腕を思わず摩る。

「風邪ひいちゃうよ、勝己兄ちゃん。」

「酔い覚ましに丁度良いわ。」

ふわっとAを抱き寄せ、額に唇を合わせた。

「外では...ダメなんじゃないの？」

「んなもん知るか。」

今度は背を屈め、チュッと唇にキスをする。

「もう...勝手だな、勝己兄ちゃん。」

「うっせ。明日は初詣行くんかよ？」

Aを抱きしめたまま聞くと「うん！」と上目遣いで返事をした。

「あー、可愛いわ。」

「酔っ払いは早く寝て下さい！」

「酔って言ってんじゃねぇ。マジで可愛いっつうの。」

「んん〜、ま、また明日...ね、おやすみなさい！」

俺から目を逸らし、恥ずかしそうにして家の中に入っていった。

(正直、酔ってねぇと...言えねぇわ。)

空を見上げてため息をつき、俺も家の中へ戻る。

そしてそのまま自室のベッドに倒れ込んで朝まで爆睡した。

「起きて？勝己兄ちゃん。」

頬を撫でられる感触と共にAの声が聞こえてくる。

「...っ、今...何時...だ？」

「もうすぐお昼だよ。初詣...止めとく？疲れ「あ？昼前？マジか...寝過ぎたわ。」」

目を擦りながら体を起こすと「疲れてるんだよ〜。」と笑いかけてきた。

「ちょっと待ってろ。すぐに用意すっから。」

「ん、わかった。おばさんの所に居るね！」

Aが部屋から出て行くと、バスルームに向かってシャワーを浴びる。

そして濡れた髪のままリビングに行き、冷蔵庫の中を物色した。

「勝己、髪位乾かしなさいよ。いくらAちゃんが居るからって慌てなくても。」

「へぇへぇ、乾かしますよ！」

わしわしとタオルで髪を拭きながらソファに腰を下ろし、冷たい水を流し込んだ。

「ね？可愛いでしょ？」

「うわぁ、小さい〜。」

リビングの隣の和室で親父と何かを見ているらしいA。

「何見てんだ...って、アルバムかよ！？親父！勝手に見せんな！」

「え、嫌だった？ほら見て、勝己くん、懐かしいよね？」

アルバムを俺の方に向け、親父は懐かしんでいる。

指を指しているのは幼稚園頃の写真。

親父に肩車をされ、象を見ている俺。

「...覚えてねぇっつうの。」

「見ちゃ...ダメだった？」

Aは小声で聞いてきて首をかしげる。

「...見ちまったもんは仕方ねぇけどよ...小っ恥ずかしいわ。」

俺は苦笑いを浮かべて話し、出掛ける用意をしにリビングを出た。