求婚...年の差３ (ページ33)

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３３話目ページ33

「ってぇ！何すんだ、ババア！」

「可愛いAちゃんに何すんの！？可哀想に〜。」

小突いた手をピシャリと叩き、大げさにAの頭を撫で回す。

「お、おばさん、大丈夫ですから。」

「普段からこんな事されてんの？何かあったらすぐにおばさ「何もねぇわ！ちゃんと大事にしとるわ！」」

不貞腐れてる俺に親父は楽しそうに微笑んだ。

「何が面白ぇんだよ、親父。」

「んー、昔を思い出すね。よく光己さんと言い合いしてたなって。懐かしいな〜。」

ほんのり頬を赤く染め、頷きながら猪口を傾ける。

「あ、このケーキ美味しいですっ！濃厚〜！！」

「美味しいでしょ〜？この美味しさが分かち合えて、おばさん幸せだ！」

チョコケーキを食べてニコニコと笑い、ババアも嬉しそうにショートケーキを食べて笑った。

２人のその姿を見てフッと頬が綻んだのを感じる。

「親父、ウイスキーか何かねぇの？」

「あるよ！良いのがあるんだ、とっておき！」

親父はイソイソとキッチンに行き、高そうなウイスキーの瓶を片手に戻って来た。

「勝己くんはロック？ストレート？」

「...ロック。あ、グラスと氷持ってくるわ。」

冷蔵庫から氷を取り出し、リビングの方を見ると３人で楽しそうに会話をしている。

(たまには実家ってのも...良かったかもな。)

暖かい気持ちになり、親父とゆっくりグラスを傾け合って、俺は久しぶりに酔っ払ってしまった。

「勝己兄ちゃん...大丈夫？」

「おう。あー、飲み過ぎたな。」

親父はソファに横になり、高いびきで眠りこけている。

「勝さんも弱くなったねぇ。昔は強くて酔った姿なんか知らなかったよ。」

俺に水を手渡し、愛おしそうな目で親父を眺めた。

「親父...んな酒強かったんか？」

「うん、強かった。私何回も介抱されたからね。」

「...お酒呑んでみたいなぁ。」

俺とババアの会話を羨ましそうに聞き、テーブルに肘をつく。

「あ？呑んでたじゃねぇかよ？」

「あれは飲まされたの！事故です、事故！」

「あらら、やんちゃだね。」

「ちっ、違うんですよ、おばさん〜！」

ババアに抱きつき、必死で弁解を始める。

あの飲酒事件(？)があったからこそ...今がある訳で。

懐かしいなと思い出しながら、水を一気に飲み干した。

「帰んのかよ？」

「帰るも何も...の距離だけど。また明日来るね。」

ババアに礼を言い、玄関へと向かう。

「送る距離でも...ねぇけどな。」

俺が笑って言うと、Aも吹き出し笑いをした。