求婚...年の差３ (ページ3)

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３話目ページ3

「めんっどくせぇ。おい、デク。適当に書いてくれや。てめぇなら俺の事書けんだろ？」

「かっ、書けなくは無いけど...自分で書きなよ...。」

アンケート用紙には幼少の頃から今現在までの質問がズラッと並んでいる。

「高校の時の俺のイメージ...何だ？」

「...半分野郎だろが？んで、舐めプ。」

「そ、そうか。悪ぃ。」

「ちょっ、ショート！そのまま書いちゃダメだって！まだ根に持ってんの？爆心地...？」

俺に言われた通り、素直に書き込もうとするショートを止め、デクは苦笑いを浮かべた。

「...うっせ。たりめぇだ、くそが。」

あの時の苦い気持ちを思い出し、眉間にシワを寄せてため息をつく。

悔しくて、悔しくて...苛立ちが収まるまで何日も要したはずだ。

「デク、俺のイメージ...言えや。」

「え、か、かっちゃんの！？あっ！！」

現場で俺の名前を呼び、目を大きくして口を抑える。

「...躾のなってねぇ狂犬。」

「ぐっ...確かに...な。」

一瞬半分野郎にブチ切れそうになったが、今となれば自覚のある俺は完全否定出来ない。

後は定番の好みの女性や初恋はいつ、将来の夢...その他諸々を適当に埋めていく。

最後に「大切なあの人へ。」という項目があり、俺は首をひねった。

「おい、最後の問...てめぇは丸顔なんかよ？」

「え...？あ、あー、そんな感じになるだろうね。」

「...そうかよ。」

(つう事は...俺はA...か。)

Aに対してのメッセージ...今まで真剣に考えた事なんか無い。

しばしの間悩み込み...サラサラとペンを走らせる。

«離れんな。»と一言。

考えれば考える程、プロポーズの様な言葉しか浮かばなくて...思わず笑けてくる。

「うっし、終わり。」

ポイッとペンをテーブルに放り投げ、首をコキコキと鳴らす。

と「もう書いたのか。早ぇな。」

「てめぇがトロいんだよ。ちゃっちゃと書いちまえ。」

デ「ちゃっちゃ...って書けたら苦労しないよ。」

俺は両手を組んで目を瞑り、こいつらが書き終えるまで居眠りをしてやった。

スタッフが用意した衣装に着替え、先に写真撮影。

それが終わると対談で、内容は同級生に因んだもの。

微妙にイラッとするが、デクが俺の肩を叩いて慰めてくる。

「...落ち着いてよ？」

「落ち着いとるわ、舐めんな。」

ショートは綺麗な営業スマイルを浮かべ、さっきまでぼーっとしていたこいつと同一人物に見えない。

「...王子様かよ。」

皮肉ってやると訳がわからないという様な表情になった。