求婚...年の差３ (ページ15)

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１５話目ページ15

「勝己兄ちゃん、お誕生日は何が欲しい？」

３月の終わり頃、ドライブデートの最中に突然聞かれて俺は言葉に詰まる。

毎年Aはプレゼントをくれるが、聞かれたのは今回が初めて。

「Aがくれるもんなら何でも...っつうか、何にもいらねぇ。一緒に居てくれるだけで満足だわ。」

「うーん、そう言うと思った〜。」

俺から目を逸らし、小難しい顔をして窓の外を見回した。

「勝己兄ちゃんの欲しい物をあげたかったのにな。」

「後何年かしたらくれんだろ、１番欲しいもんをよ？」

ムニムニ頬をつねって聞くと「あ...私！？」と笑い出す。

「おう。俺はAが居れば何もいらね。」

「さ、最近の勝己兄ちゃん...甘いよね。」

「前から甘ぇわ。甘々だわ！」

Aの手を手繰り寄せ、ギュッと握り締めた。

今日の目的地はAのご希望で横浜。

「腹減っただろ？中華街でも行くか？」

「うん！行きたい。」

車を駐車場に止め、何処に入るかあちこち散策する。

「勝己兄ちゃん！ここが良い！すごい！食べ放題！！」

「んなで良いんかよ？もっと良い店あんぞ？」

「ここで良いよ、高いお店は苦手だもん。」

俺の手を引いて店内に入り、店員に案内されてテーブルに座った。

「うわぁ！すごいいっぱいあるね！悩む〜！」

「残すなよ？食い切れる分だけ頼めや？」

「食べれなかったから勝己兄ちゃんが食べてくれるでしょ！？」

メニューの端からチラっと顔を出して楽しそうに笑う。

(その笑顔に弱ぇんだよな。)

俺もメニューを見ながら微笑んでしまった。

「うぇ、食べ過ぎたよ〜。」

「...そりゃあんなにくそ甘ぇもん食えば...な。」

デザートにゴマ団子を注文し、気に入ったAはもうひと皿追加注文。

胃の辺りを撫でるAを呆れ顔で眺める。

「平気だと思ったのにな。」

「ま、美味かったんなら良いじゃねぇか。で、この後は何処行きてぇんだよ？」

Aの体を抱き寄せ、肩を組んで歩いた。

「ん、んー、カップラーメン作りたい！」

「あ？カップラーメン？」

「うん！行こ！？」

わざわざ横浜まで来てカップラーメン...。

(...面白ぇやつ。)

スマホを取り出して行き方を調べ、そこへ移動する。

「勝己兄ちゃんも作るよね？」

「あぁ？めんっどくせぇ。」

「そんな事言わずに...ね！？」

強引に押し切られ、俺も仕方なく作る事に。

カップに絵を書いたり、スープや具材を選んだり、２人でそれなりに楽しく作る事が出来た。