求婚...年の差２ (ページ10)

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１０話目ページ10

「Aは俺の女だ！親同士公認の仲で、やましい事は一切ねぇ！俺が...俺がヒーローやってっから、俺との付き合いを言うなって止めてた！マスコミや周りにごちゃごちゃ言われんのが目に見えてたからだ！こいつは何にも悪くねぇ！文句ある奴は...俺に言えや！」

教室が...水を打ったかの様に静かになる。

「かっ...かっちゃん...。」

デクがマスクを外すと、教室がまたざわめき始めた。

「あ、皆...ごめんね。あのさ、爆心地とAちゃんは、真面目な付き合いをしてるんだ。マスコミは面白おかしく書き立てるし、Aちゃんが黙ってた事に腹を立てた子も居ると思う。でもね、それは僕達の職業が邪魔をしただけで...あー！上手く言えないけど、優しい気持ちで見守ってあげて欲しい！」

パチ...パチと拍手の音が聞こえ出し、最後は大きな拍手となり...俺とAへの祝福の声が聞こえてくる。

「勝己兄ちゃん...良いの？」

俺の顔を見上げ、震える声で聞いてきた。

「...今から事務所に戻って、マスコミ各社に公表する。迷惑かけるかも...いや、もうかけてんな。とにかく...俺を信じろや。」

「当たり前でしょ！勝己兄ちゃんの事、大好きなんだから！」

ニッコリと笑うAの頭を優しく撫で、教室を出ていこうとすると...ガキ達に握手を求められる。

デクの方もガキが殺到していて、苦笑いをしながらサインをしていた。

「爆心地さん！握手お願いします！」

「サイン！」

振り切って逃げてやろうかと思ったが、Aのクラスメイトで無下に出来ない。

「だぁぁっ！めんっどくせぇ！並べ、さっと並べや、クソガキ共！」

順番に握手とサインをして行き、最後の1人が終わった時、デクが「行こう！」と声を掛けてきた。

「A！連絡するから待ってろ！」

「わかった！いってらっしゃい！」

ヒューヒューと冷やかされ、Aは顔を赤く染めて机に突っ伏してしまう。

その姿を見て、口元を緩ませながら教室を後にした。

「かっちゃん、今から大変だよ。僕達の結婚会見の時でも...マスコミはなかなか離れなかったからね。」

「んなもん覚悟の上だわ！うっし！あがってきたぜ！」

廊下を歩きながら、デクと拳を合わせる。

デクとこんな事をしちまうなんて、この時の俺は神経が高ぶっていてまともじゃなかったから...だろう。

「とりあえずは変装して...学校から出るよ！」

俺は頷くとカツラを被って、デクの背中に飛び乗った。