求婚...年の差２ (ページ9)

今日:9 hit、昨日:5 hit、合計:83,552 hit

９話目ページ9

「安心してるとこ悪いが、残念な知らせもある。あいつは明日から２日間の停学になった。原因はお前だ。」

「て...停学？」

「あなたのせいで相当、クラスメイトに何か言われたみたいですね。本人は何を言われたのか言わないのでわかりませんが...。クラスメイト数人を引っぱたいてしまいました。」

「...っ、A...が？」

Aが停学...？ケンカをした？

「なんて面してるんだ、爆豪。お前が緑谷とやり合った時に比べりゃ...可愛いもんだぞ。今は殴った奴らとも和解してるらしいから心配はいらねぇ。」

「あの時はご迷惑をおかけ...しました。」

デクが肩を竦めながら頭を下げる。

「相澤先生。在校中に...婚約者がいるっつーのは学校的に...不味いっすか？」

「ちゃんと学業に取り組んで、学校に迷惑をかけねぇのなら問題はねぇ。何故そんな事を聞く、爆豪？」

「Aが俺の婚約者だと...公表する。公表しちまえばマスコミが離れていくのも早ぇと思うし、もうAの身元がバレしちまってる以上、遊びじゃねぇとハッキリさせたいんす。条例がどうとか...好きな事言われんのは我慢出来ねぇ...んす。」

「そんな事は当人同士の問題だろうが。好きにすれば良い。」

「...うす。」

相澤先生に頭を下げながら、チラッと仮眠室の目覚まし時計を見た。電池切れなのか、止まっていて...スマホを取り出して時間を確認する。

(...今は６限の終わり位...か？)

俺は相澤先生と発明バカに頭を下げ、ソファから立ち上がった。

「かっちゃん、何処に行くの？」

「...サポート科。」

「何をしに「手始めにAのクラスメイトから公表すんだよ。その後はマスコミ各社に連絡して囲み取材でも、記者会見でも...何でもしてやる。」」

「さっ、先にAちゃんの意見を聞かないと！」

「その点は問題ねぇわ、デク。前に俺の彼女だって言えねぇって...嘆いてやがったかんな。」

仮眠室を出るとサポート科のある階まで階段を駆け上がる。後ろからデクが付いてきていた。

Aが居る教室の近くまで来た時、タイミング良く授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響き、教室のドアを思い切り開け放つ。

Aの傍に駆け寄るとカツラを投げ捨てて、ギュッと小さな体を抱きしめた。

「爆心地！？」「教室に爆心地が居るぞ！」

クラスメイトの奴らのどよめく声が聞こえてくる。

「勝己...兄ちゃん？」

俺は...スゥと肺いっぱいに酸素を取り込むと、教室全体に響き渡るような大声で叫んだ。