求婚...年の差２ (ページ40)

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４０話目ページ40

「仲良くなんか...ないっすよ。俺はいわゆるガキ大将で、デクをいじめていじめて...関係が拗れたまま雄英ん入学して...。」

「そ、そうなん...ですか？でもデクは爆心地さんの事を大切にしてらっしゃいますよね？」

「...困った人間が居たら助けたい。そういう...奴ですからね。」

深いため息をつき、境原さんの顔を見ると困惑した様な表情で俺の顔を見つめてくる。

「今は互いに大人、ましてやヒーロー。可もなく不可もなく不可もなく...な関係で、ここまで回復させてくれたのは...オールマイトで...。」

「雄英の教師をされていましたね、オールマイトは。当時の僕はオールマイトに勉強を教えてもらえる雄英生が羨ましくて...仕方なかった。」

ハハッと笑って、「永遠の...ヒーロー。」と天井を見上げた。

「まぁ、デクと俺はそんな感じ...でした。今はそこまで悪ぃ関係でも無くて、昨日は彼女がデクとウラビティに会いてぇっつうんで、４人で飯食ってましたから。」

「え、彼女さんは自宅謹慎中...とお聞きしていますが...？」

「あっ！？あ...そ、そうっす...ね。」

つい口を滑らせてしまい、俺はしどろもどろになる。

「...彼女さんが昨日出掛けたのはリサーチ済です。載せないですけどね。」

「...知ってたんすか。デクはデクで俺との関係をどう話してんのか知らないっすけど、事実はそんな感じっす。好きに書いてくださいよ。」

ソファに体を沈みこませ、前髪を書き上げながら微笑む。

「ヒーローもただの人間...という事ですね。勝手に親近感が湧いてしまいました。これで本日は以上です。お会い出来てよかった。」

俺は姿勢を正し、にこやかに握手を交わした。

(...デクをいじめてた事書かれちまったら...正直やべぇな。またクソ髪に怒鳴られんのかよ。)

車に乗り込んで後部座席にコスチュームを投げ、怒っている切島の顔が頭に浮かんで苦笑いをする。

「っつうか...あいつら人に黙って好きな事しやがって...。」

ハンドルを操りながら独りごちる俺。

信号待ちの間にデクに電話をかけると即繋がった。

「あ、かっちゃ「おい、こら、デクてめぇ！人に黙って何勝手な事しとんだ！首謀者はどいつだ？てめぇか！！」」

「な、いきなり叫ばないでよ、耳が痛いだろ！」

「てめぇの耳の事なんざ知るか！てめぇじゃねぇなら誰なんだよ！」

「誰だって良いだろ！皆、君の事...心配して...」

イラァ...としてきて、何も言わずに電話をぶち切り、ハンドルを強く叩いた。