求婚...年の差２ (ページ37)

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３７話目ページ37

「おはようございます！」

待ち合わせ場所であるホテルのロビーに行くと、雑誌のスタッフが一斉に頭を下げて挨拶をしてきた。

「うす、おはようございます。」

「では行きましょうか。最上階の部屋をとってあります。」

キーをチャラチャラと鳴らしながら俺に見せ、エレベーターのある方へ誘導される。

今から何を聞かれるのか...。何をさせられるのか...。

思わずため息を吐くと、スタッフの１人が顔をのぞき込んで来て微笑んでくる。

「爆心地さんでも緊張するんですね？」

「...は、そうっす...ね。」

俺はそのスタッフから顔を背けて返事をした。

部屋に入るとスタッフ達はあちこちに散らばり、機材を設置していく。

「御挨拶が遅れました。今回の責任者になります境原です。よろしくお願いします。本日の流れを説明させていただきます。」

ソファに座る俺の隣に座り、名刺を差し出して頭を下げてきた。

「よろしくお願いします。」

とりあえずは簡単にグラビア撮りをして、その後に質疑応答をするらしい。

グラビアはコスチューム姿と上半身裸を撮影。

「大丈夫ですか？」

「はい。大丈夫です。ご心配なく。」

笑顔で答えたものの、心中は穏やかでは無かった。

(Plus Ultra...か。何でこんな時に思い出すんだよ。)

フッと吹き出し笑いをした俺を見て、境原さんはつられ笑いをする。

「あちらの部屋で着替えをして来て下さい。こちらの準備は整いましたので、いつでも撮影始められます。」

「わかりました。」

コスチュームが入っているカバンを片手にその部屋に入った。

パパッと着替えを済ませて出て行くと「こちらに立って下さい！よろしくお願いします！」とスタッフが手を振ってくる。

「よろしくお願いします！」

俺もいい加減腹を括り、気合の入れた声で挨拶を返した。

「目線こっちで...はい！次は背中を向けて振り返り気味で...はい！そうです！」

パシャパシャと派手なフラッシュが焚かれる音が聞こえ、俺は指示通りにポーズをとっていく。

時々あまりの眩しさに眉をひそめながら。

「次はマスクを外して片手で持って下さい。ポーズは...仁王立ちで...。」

頷きながらマスクを外し、カメラを軽く睨みつける。

「良い表情です！もっと思うままに、好きな様に動いてみて下さい！」

(アイドルじゃあるまいし...んな事出来っかよ...。)

そんな事を考えつつ、篭手でカメラを爆破する様なポーズを取り、俺はニヤッと笑って見せた。