求婚...年の差２ (ページ3)

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３話目ページ3

「ここは？」

タクシーを降りると、例のアクセサリーショップの前で看板を見上げながら聞いてきた。

「まぁ、付いて来いや。」

ドアを開けて店内に入ると、Aは「うわぁ！」と嬉しそうな声をあげる。

「いらっしゃいませ、お待ちしておりました。彼女さん...でございますか？」

チラ...とAを見て、綺麗な所作で頭を下げた。

「あ、こ、こんにちは！」

「いらっしゃいませ、こちらにどうぞ。」

山縣さんはニッコリ笑って、俺とAに椅子を勧めてくれる。

「しばらくお待ち下さい。」

山縣さんは奥の部屋へ、ゆっくりと消えていった。

「ね、ここは？アクセサリー屋さん？」

つんつんと俺の脇をつつきながら聞いてくる。

「やめろ。俺の行きつけのシルバーアクセサリー専門店。」

「へぇ！いっぱい種類あるんだね！」

物珍しそうに店内をぐるっと見渡した。

「お待たせいたしました。こちらがご注文いただきました、商品でございます。」

綺麗なケースにそのネックレスは納められていた。

「ありがとうございます。」

「ご不満な点は...ございませんでしょうか？」

「大丈夫です。思ったよりも綺麗に仕上がっていて満足してます。」

「それでは、ラッピングさせていただきますね。」

山縣さんはまた奥の部屋へ入って行き、しばらくすると可愛らしい小さな紙袋を手に持って戻って来た。

俺に渡そうとする山縣さんにAへ手渡すように頼むと、目を大きく見開いて俺の方を見てくる。

「さっさと受け取れや！」

「えっ！...うっ、うん！」

焦った素振りで紙袋を受け取った。

「ありがとうございました、また来ます！」

店を出てAを見ると、手に持った紙袋を不思議そうな顔をして眺めている。

「お前んだ。受け取っとけ！」

「えっ、何で！？誕生日でも無いのに！！」

「あの雑誌に書かれてた例の夜にここに来て、お前の為にオーダーメイド注文してたんだよ。クリスマスは一緒に過ごせねぇから、それで我慢してくれや。ったく、クリスマスよりかなり早く渡す事になっちまったな...。」

Aの肩をそっと抱き寄せながら言った。

「嬉しい。初めての...アクセサリー。」

「Aの初めては全部、俺のもんだっつってただろ？貰ってやっから他に何があんだ、言え！」

「勝己...兄ちゃん、本当にごめんなさい。」

「俺にはAしか居ねぇからよ。」

Aの頬に唇を合わせると、ぎゅっと強く抱き締めた。