求婚...年の差２ (ページ19)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:83,540 hit

１９話目ページ19

「デクにメールすんぞ？やっぱり行きたくねぇとか言うなや？」

「だ...大丈夫！」

拳をブンブン振り回し、大きく頷いてくる。

『Aも連れてく。』

しばらくして届いた返事は『ＯＫ。』で、Aに早く用意する様に言った。

「緊張するな...。」

「緊張、緊張って...るせぇわ。」

自動精算機で支払いをしながら軽く睨み付ける。

「勝己兄ちゃんは慣れてるのかもしんないけど...一般人からしたら緊張するもんなんだよ？有名なヒーローに会うって...。」

「おら、さっさと出んぞ。」

ホテルを出て、近くにタクシーが居ないか辺りを見回す。

(...あんまうろつくのもやべぇな。)

スマホでタクシー会社の番号を探しているとデクから電話がかかってきた。

「今からそっち向か『何処にいるの？迎えに行くよ？』」

「あ？タクシーで『タクシーも信用出来ないから！マスコミにタレこまれる可能性もあるし！』」

「...高速近くのファミレス...。」

『あ、わかった！そこに居て？すぐに行くからね！わかった、かっちゃん？』

「偉そうに言うな！いちいちるせぇ！待ってっからさっさと来いや！」

『じゃあね！』

電話を切って舌打ちを一つすると、Aが腕をグイッと引っ張ってくる。

「どしたの？何で怒ってるの？」

「デクがしつけぇからイラついとんだ。怒ってねぇよ。迎えに来んだとよ。」

「え！デクが！？」

「...おう。そこのファミレスの駐車場に移動すんぞ。まさか...ホテル前に来いとは言えねぇだろが。」

Aの顔を覗き込んで、ニヤニヤ笑いながら言った。

「も...もう！バカッ！早く行こ！」

「おい、顔...赤ぇぞ？」

「勝己兄ちゃんが...変な事...言うから！」

グングン先に歩いていく小さな背中を見て、フッと鼻で笑う。

「おら、んな引っ張んな。デクん所行く前に家に電話しとけ。」

「あ、わかった。電話する。」

Aはコクリと頷き、素直に家に電話をかける。

「お母さん？えっと今から勝己兄ちゃんとデクの所にご飯食べに行ってくるね。」

身振りで電話を代われと言うが、手を振って必要ないと笑う。

「そう！あのデクの所。少し遅くなるかも。また電話するね！はーい！」

俺に変わらずに勝手に電話を切ってしまった。

「俺に代われっつっただろが！」

「もう親公認なんだから、いちいち必要ないよ〜。お母さん、笑ってたし。」

「ったく...ケジメだっつーの。」

Aの頭をクシャと撫でた時、デクの車が駐車場に入ってきた。