求婚...年の差２ (ページ13)

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１３話目ページ13

その後、何個かの質問を受け...俺は頭ん中が真っ白になって事務所に戻ってきた。

「お疲れ！よくキレなかったな、おめぇ！生中継見てて、こっちも緊張したぜ！」

ポンッとペットボトルの水を投げて寄越しながら、クソ髪が笑いかけてくる。

「っ、はーっ。何回かキレそうになったけどよ、その度にAの顔思い浮かべて...何とかな。」

ソファに腰を下ろし、ペットボトルの水を一気に飲み干した。

「後は...これでどうなるか...だよな？」

「どうなるもこうなるも...マスコミ次第だろが。俺は一切やましい事はしちゃいねぇ。でもそれを、重箱の隅をつつきまくって面白おかしく書き立てるのがヤツら...だからな。」

クソ髪は俺の肩をポンと叩き、少し悲しそうな表情で笑った。

『爆心地さん！ファンの方に一言お願いします！』

『お相手がおめでたとのお噂が流れていますが、事実でしょうか？』

翌朝、マンションを出た途端にマスコミに取り囲まれ、俺は頭を下げながらその場を立ち去る。

(おめでたって...どんな噂だよ、くそが！)

そんな噂を流され、Aは大丈夫だろうかと...下唇を噛み締めた。

バイクや車に乗ろうと立ち止まると、マスコミが寄ってくるという状況で、仕方なくタクシーを捕まえて事務所に向かう。

「あ、釣りはいらねっす。」

「爆心地さんだよね？色んな噂に負けんと頑張ってよ！」

「...うす。」

タクシーの運転手にまで励まされて、俺は思わず苦笑をもらした。

事務所が入っているビルの前にも案の定マスコミのヤツらがたむろっているのが見えて...さすがにウンザリとしてくる。

『爆心地さん、今回の件で好感度がかなり下がったと思われますが、回復させる自信はおありですか？』

『ＣＭ打ち切りになるとの情報が入ってきています。その事についてコメントお願いします！』

「...すんません。仕事がありますんで...。」

マスコミにもみくちゃにされながら何とかビルの中に入り、大きなため息をついた。

ピコン！

LINEの着信音が鳴って確認するとAからで『会いたいな〜。って、ワガママごめん。』とメッセージが入っている。

『仕事終わったら連絡する。』

『勝己兄ちゃん無理しないでね？私はちゃんとお利口にしてるから。』

『了解。』

LINEを打ちながら事務所に入ると、クソ髪がニヤニヤとした顔で「おはよう！」と挨拶してきた。

「爆豪〜、顔緩んでんぞ？」

カバンを机に叩きつけるように置き、クソ髪に背中を向けて椅子に座った。