２０枚目 ページ22
*
───結果から言うと、赤羽君の暗殺は“全て”失敗に終わった。
朝一で仕込んだ、タコさんを殺せんせーに見立てて煽り暗殺する作戦はタコさんがホカホカの美味しいたこ焼きに生まれ変わり、失敗。
それからは殺せんせーのペースに乗せられたのか、何なのか。
1時間目は殺せんせーにネイルされ、4時間目の調理実習はふりふりエプロン&三角巾。5時間目は畝る触手で髪を弄られて。
赤羽君の機嫌は勿論最悪。
6時間目は今の所特に何もないけれど、その代わりと言うか何と言うか。隣に座っている赤羽君からは確かに殺気と怒気が感じられる。
「……ねぇ紫籐さん」
『……え、あ、うん、何?』
まさか話し掛けられるとは思わなかった。
いきなり話し掛けられた事による驚きで鼓動が少し早くなる。
殺せんせーの授業はそっちのけに。赤羽君の方を向いて首を傾げると彼は眉間に皺を寄せた儘少し言い難そうに、……除光液、持ってたりしない? と。
『あるけど……なん……あ、そっか、ネイル……』
赤羽君の爪にはキラキラとプロ顔負けのネイルが施されていて、正直ちょっと落とすのは勿体無いって思ったり。
あぁでも、赤羽君は男の子だから。やっぱりネイルとか興味ないのかな。何て除光液でネイルを落としていく赤羽君を見てれば不意に 紫籐さんさぁ、って声が掛かって。
「マニキュアとかすんの?」
『え……やりはしないけど……可愛いよね、ハケとか』
赤羽君の質問に答えれば、彼は眉間に皺を寄せて、除光液に目を向ける。
赤羽君の動作を目にして考える事数秒。
赤羽君から ……何で除光液持ってるの?何て来て、ん?って一瞬首を傾げた。
『……あ、そっか、除光液はね、靴の汚れを取るのに最適何だよ』
除光液に含まれてる成分が靴の黒い摩擦汚れを落としてくれる為、森や林の中に入り自然の声を聴く事が多い私からしたら必需品だ。
除光液も残り少しだから。あぁ放課後買いに行かなきゃなぁ……。何て4分の1程になった除光液を目に、綺麗に落とされた赤羽君の指へ目を移す。
赤羽君の指は男性なのに細くて。剥離片とかも見当たらなくて。
『赤羽君、綺麗だね』
「……は?」
『赤羽君の指、綺麗』
彼の手を取ってそう呟けば、赤羽君は そう。とだけ口にして空いてる片手で頬杖を突き横を向く。
───サラリと流れる髪と髪の合間から見える赤羽君の耳は、ほんのり赤い様な気がした＿＿……。
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葵(プロフ) - あやめさん» お返事遅くなってすみません！ コメントありがとうございます、嬉しいです！ 8割以上私の力ではないので散々自慢させて頂きますね！！ これからもよろしくお願いします！！ (2020年9月14日 21時) (
レス) id: df60a0bf96 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！！！！これからもがんばってください！更新楽しみに待ってます！！ (2020年7月10日 17時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヤ x他1人 | 作者ホームページ：https://twpf.jp/uranai_aoi
作成日時：2020年4月4日 3時
