15枚目 ページ17
「次やったらカンニングと見做しますからねっ!!」
顔を赤くして注意する先生に、さっき迄先生も壁パンして妨害してたじゃん……、何て思うのも束の間。
赤羽君がごめんごめん、と軽快に笑い隠す様に持っていたジェラートを見せる。
「俺もう終わったからさ、ジェラート食って静かにしてるわ」
『……美味しそう』
見るからに高そうなジェラート。ポツリと呟けば赤羽君に 食べる? 何て訊かれてふるふると首を振った。
『授業中だし、パウンドケーキならまだしもジェラートはダメだから食べない』
「パウンドケーキもジェラートも駄目ですよ授業中にそんなもの。
全く、何処で買って来て……そっ、それは昨日先生がイタリア行って買ったやつ!!」
触手を震わせてそう告げる殺せんせーに、心の底から呆れが来てそっと解き掛けの小テストに目を落とす。
……まだ時間はあるし、教科書も受け取っただけで見てないし、抑教科違うし、……これ、続き解いても良いのかな……。
ぼんやりと半分解き掛けのテストを見て、先生を見る。
先生は怒った様子でズンズンと此方迄来て……パチュンと足を溶けさせた。
溶けた触手の粘液がピチャリと上靴に付着。
「あっははッ、まァーーた引っ掛かった」
続けて軽快な発砲音と声が響いて、赤羽君が椅子から立ち上がる。
ハンドガンを突き付けて一歩一歩歩みよる赤羽君に、その場に突っ立ってる殺せんせー。
その姿は何だか、昔タンブルウィード見たさに観た映画のワンシーンを連想させた。
「───それが嫌なら……、俺でも俺の親でも殺せば良い」
べチャリと、嫌な音を立てて何かが潰れる。
見れば赤羽君が殺せんせーの服にジェラートを押し付けていて。
「でもその瞬間からもう誰もあんたを先生とは見てくれない。ただの人殺しのモンスターさ。
───あんたという『先生』は俺に殺された事になる……」
私の所からじゃ赤羽君の表情迄は窺えないけれど、彼が発した“先生”は何処か……、やけに固執している様に感じて。
殺せんせーにテストを渡して“明日も遊ぼーね”とだけ言い教室を出る赤羽君を目に何だか嫌な予感がして。
……外の木々が、騒めいだ気がした。
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葵(プロフ) - あやめさん» お返事遅くなってすみません! コメントありがとうございます、嬉しいです! 8割以上私の力ではないので散々自慢させて頂きますね!! これからもよろしくお願いします!! (2020年9月14日 21時) (レス) id: df60a0bf96 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!!!!これからもがんばってください!更新楽しみに待ってます!! (2020年7月10日 17時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヤ x他1人 | 作者ホームページ:https://twpf.jp/uranai_aoi
作成日時:2020年4月4日 3時