11枚目 ページ13
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パンパンと軽い発砲音に空を切る音。
それに混じって耳に入って来る ヌルフフフ、何て奇怪な声。
その声は紛れもなく木に縄で括られてヌルヌル動いている殺せんせーで、皆が打つ弾と支柱に対先生ナイフを縄で括り付けた簡易的な槍。
それ等を苦も無さげにヌルヌル避ける先生に何だかムッとして地面に転がってるBB弾を投げた。
『……ねぇ先生、今どんな気持ち?縛られてるとは言え、余裕を持って避けれるの。楽しい?気持ち良い?
……、チューリップはそんな事思う暇なく先生の手によって毟り取られたのにね?』
「ひいぃぃっ?!で、ですからそのお詫びとしてこのハンディキャップ暗殺大会を開催して……!!」
『うん。それでも先生はヌルヌル動けるから……羨ましいね』
ね、と片岡さんから貰ったチューリップに話し掛けてたら はい!紫籐さんっ!縄と棒だよ! って茅野さんに差し出され、ふるふると首を横に振った。
『ありがとう、茅野さん。でもね、いいの。
───だって先生、近い内チューリップの精に殺されちゃうから』
「ひいぃぃぃ?!し、しかし見なさいこのハンデをものともしないスピードの差!
仮令チューリップの精であってもこのスピードには追い付けないでしょう。
よって、君達が私を殺すなど夢のまたゆ──……」
ボキッと、音を立てて先生が吊るされてた木の枝が折れる。
さしもの先生も縄で縛られていたら重力に逆らう事何て出来なくて、その儘地面にボトりと落ちた。
固まる皆。
それとなく一発先生の足元に発砲すれば、今だ殺れーーーッ!!って皆が動き出す。
触手と縄が絡まって、とか騒ぎながらも一発一刺掠りもしない先生を遠目にぼんやりと見ていたら先生が縄から脱出し変な事を口走りながら屋根に飛び乗った。
ここ迄は来れないだろうと、基本性能が違うんだバーカ、と、屋根の上で飛び跳ねながら言う先生は何て大人げない事か。
「ふぅ…………明日出す宿題を2倍にします」
『大人げない上に器迄ちっさいんだね』
皆の声は聞こえないフリに。
バシュッと勢い良く逃げて行った先生は以前宣言した通り殺される気等毛頭無いのだろう。
それは私達の想いとは真逆で。
``殺すよ´´
``殺す気じゃなきゃあの先生とは付き合えない´´
風に乗って聞こえた潮田君の言葉に
私の口角は知らない内に上がっていたのだった。
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葵(プロフ) - あやめさん» お返事遅くなってすみません! コメントありがとうございます、嬉しいです! 8割以上私の力ではないので散々自慢させて頂きますね!! これからもよろしくお願いします!! (2020年9月14日 21時) (レス) id: df60a0bf96 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!!!!これからもがんばってください!更新楽しみに待ってます!! (2020年7月10日 17時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヤ x他1人 | 作者ホームページ:https://twpf.jp/uranai_aoi
作成日時:2020年4月4日 3時