９枚目 ページ11
「なっ……何なんだよてめぇ……迷惑なんだよぉ！！」
腰を抜かした寺坂君が、震えた声で真っ黒な先生を指差した。
「いきなり来て地球爆破とか暗殺しろとか……迷惑な奴に迷惑な殺し方して何が悪いんだよぉ！！」
あの状態の先生に率直な感想は、共感しなくもない。本当に地球を壊すなんて、壊す程の威力を持っているなんて、悠長に手段を選んでもられない。現に危機感を煽る材料は教卓に揃ってる。
「……迷惑？ とんでもない。君達のアイディア自体は凄く良かった」
どう出る、と教室中が身構えたのも一瞬、先生は黒かった顔を朱色に変えた。あれは、私達を褒める時の顔色。
「特に渚君、君の肉迫までの自然な体運びは百点です。先生は見事に隙を突かれました」
「……！」
潮田君の頭にあの独特な触手を乗せたまま、先生は再び顔色を黒くした。……今更だけど、表現的に「顔色」で良いのかちょっと悩んだ。
黒い先生は、自分を、潮田君を大切に出来ない人に暗殺の資格はないなんて言う。……もしかして、私にもあまりない？ 間接的に怒られてる気もするけど、まぁ特別欲しくないし、仕方ない。
「――人に笑顔で胸を張れる暗殺をしましょう。君達全員それが出来る力を秘めた有能な暗殺者だ」
落とした筈の床にはハンドガンが無くて、気付いたら私の手に握らされていた。
ちら、と先生を見ると目が合った。これを握らされた意図は分からないけど、私が俯いていたのが見えたのだろうか。だとしたら、良く見えてる先生だ。
「――先生は殺される気など微塵もない。皆さんと三月までエンジョイしてから地球を爆破です。それが嫌なら君達はどうしますか？」
「……その前に、先生を殺します」
暗殺なんてした事ないけど、直感的に思った。この先生には、銃口を向けるべきだと。
「――殺せた者から今日は帰ってよし！」
『それは無理だから短歌見てよ』
「……殺せない……先生……あ、名前。"殺せんせー"は？」
茅野さんが呟いたその言葉を聞いて、私は堂々と持っていたハンドガンを先生に向けた。
殺せんせーと、私達の暗殺教室の開幕だ。
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葵(プロフ) - あやめさん» お返事遅くなってすみません！ コメントありがとうございます、嬉しいです！ 8割以上私の力ではないので散々自慢させて頂きますね！！ これからもよろしくお願いします！！ (2020年9月14日 21時) (
レス) id: df60a0bf96 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！！！！これからもがんばってください！更新楽しみに待ってます！！ (2020年7月10日 17時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヤ x他1人 | 作者ホームページ：https://twpf.jp/uranai_aoi
作成日時：2020年4月4日 3時
