告白１０ ページ40
「本格的に...ヒーロー活動始めたら...あまり会えなくなっちゃうけど...怪我だけはしないで。」
小さな体を更に小さくして、こぼれる涙を手で拭う。
「ごめん...寂しい思いさせて。心配させちゃって...ごめん。」
「ううん、ヒーロー科の人だって...わかって好きになったんだもん。平気...だよ。」
「...Aさん、ハグしても良い？」
返事を待たずに抱き締め、背中をポンポンと叩いた。
「やだ...そんな事されると余計に「泣けちゃう？」」
「...うん。止まらなく...なる。」
お母さんもそうだけど...僕は何人の人を心配させ、泣かせてきたんだろう。
早く、一日でも早くオールマイトみたいに安心して見てもらえるヒーローにならないと...。
「Aさん、僕と結婚...してくれないかな？」
前々から考えていて、まだ言える時期じゃない言葉が自然と口から溢れ出てしまった。
「結...婚？」
「あ、その、今すぐにとかじゃ...なくて。まだ責任取れる立場じゃないし...でも...結婚を前提にって...迷惑じゃなければ。あー、何が言いたいんだろ、僕は...。」
キョトンとした顔、無言で何度も瞬きを繰り返すAさん。
...引いちゃった？いや、引くよな...何言ってんだよ。
恥ずかしさと焦りで額に汗が滲んできて、ため息をついた。
「変なこと言い出してごめ「こんな私で良ければ...よろしくお願いします。」」
「...え？」
「緑谷くんさえ良いのなら...私はいつでも...お嫁に行くよ。」
「ほっ、本当「うん、本当。」」
そう言いながら小さく頷き、また抱きついてくる。
「あー、その...さ、今夜は一緒に...寝ない？」
「一緒...に？」
「なっ、何もしない、絶対に！でも今夜はAさんを抱き締めて眠りたいんだ。」
調子に乗るなって...怒られる...かな？
緊張して返事を待っていると僕から離れ、ベッドに横になった。
「う、後ろからなら...大丈夫。」
「本当に大丈夫？無理してない？」
「恥ずかしいけど、私も一緒に眠りたいから。」
両手で顔を隠しているAさんの耳は真っ赤に染っている。
僕はそっと隣に寝転び、腕枕をして優しく抱き寄せた。
「緑谷くん、会いたかった！」
久しぶりのデート、Aさんを抱きしめながらポケットの中を探る。
ポケットには指輪が入っていて...今日プロポーズするつもりだ。
あの約束の日から3年が過ぎた。
格好良くは決められないけど...上ずる声で指輪を差し出そう。
「Aさん！結婚して下さい！！」
続く
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2018年10月28日 0時
