告白９ ページ39
「っ、A...Aさんっ！好きだ！」
「みっ、緑谷...くん？」
感情が溢れ出して来て...勝手に体が動き、Aさんを胸に抱き寄せてしまった。
「あ、あの...ぼ、僕達の今後について...話したいんだけど。」
「今後...？」
「その...僕達もそれなりに年頃で...その...だっ、男女関係についてっ！」
「あ...ちょっと痛い...。」
「ごっ、ごめ...無意識に力が...。」
体を離し、「何処か痛い！？」とオロオロしてしまう僕。...情けない。
「ううん、大丈夫。男女関係って...私も考えてた。」
「そう...なんだ。」
「好きだから...私を緑谷くんのものにしてもらいたいというか、もっと繋がりが欲しいというか。...上手く言えないな。」
Aさんは俯き、首を左右に軽く振った。
「不安だったり...した？」
「不安は感じた事ないよ。緑谷くん、地方に行っても毎日連絡くれたし、こっちに居る時は必ず会ってくれてたし。」
「そっか、なら良かった。僕の気持ち...話すね。」
前に考えていた事を正直にゆっくりと話していく。
「うっ、上手く伝えるのって難しいね。わっ、どうしたの！？」
「私...緑谷くんにそんなに思ってもらってたんだ。」
少し涙ぐんだ目で僕を見上げ、僕の胸に抱きついてきた。
そっ、そんなに可愛い事されたら...理性吹っ飛んじゃうよ...。
僕は天井を眺め、深呼吸して気持ちを落ち着かせる。
「嬉しい。もっと緑谷くんの事が好きに...。あれ？どうしたの？」
「あ、き、気にしないで。」
「...緑谷くん...こっち向いて？」
「ごっ、ごめ...っ！？」
Aさんの細い腕が首に絡まってきて...。
「どっ、どどど「あの、その、キス...して？」」
「きっ、きききき...キスゥ！？」
自分でも驚くほど素っ頓狂な声が出てしまい、Aさんが笑い出した。
「緑谷くん〜、笑わせないで。せっかく勇気出して言ったのに〜。」
「だ、だってキスとか...びっくりしちゃって。」
「...ムードぶち壊しだよ？もう！」
「...っ！？」
柔らかいものが...ふんわりと僕の唇に触れてきて...それはAさんの唇で...。
「...卒業...ヒーロー事務所に就職...おめでとう。」
俯いて小声でボソボソと話し、真っ赤な頬を両手で包む。
何か言おうとしても驚きで声が出なくて、頷くだけで僕は精一杯。
「緑谷くん、これからもよろしくね。離れてもずっと大好き...だから。」
ニッコリと微笑んだと思ったら顔を顰め、大粒の涙が頬を転がり出した。
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2018年10月28日 0時
