しつけぇわ！！１６ ページ30
「Aっ！！」
元の姿に戻ると急いで自宅に帰ってきた。
家の中はシーンと静まり返っていて、俺はそっと寝室を覗いた。
Aは体を丸め、スヤスヤと夢の中。
起こして元に戻ってんのか確かめたかったが...あまりに寝顔が気持ちよさそうで...。
上着を脱ぎ捨てるとベッドに入り、Aを胸に抱き寄せて眠りについた。
「...か、勝己、勝己！？勝己って！！」
「あぁっ、うっせぇ！朝から静か「いやいやいや、これはどういう状況よ！？なぁ！？」」
「どういうって...A！？」
久しぶりに聞いた甲高い声に飛び起きる。
目をまん丸にしたAがベッドの上に正座していて「何これ！？」とまた叫んだ。
「A...か？」
「は！？誰に見えてんの！？頭大丈夫！？」
懐かしい憎まれ口に愛しさが込み上げ、力任せに抱き締めた。
「ちょっ、ちょっと...何！？」
「うっせ...後で説明してやっから黙っとけや。」
気が済むまでAを抱き締め、落ち着いた所で一から説明していく。
「...そんな事になってたんや。確かにコンビニで会ったわ。」
「でよ...1つ...謝りてぇ事が...あんだわ。」
「ん？何？」
記憶がねぇのに抱いちまった事...黙ってりゃわかんねぇかもしんねぇが...。
「嘘...私...と勝己...が！？」
「...おう。」
「えっ！？私の事...好きちゃうって...。」
「それ...が...好きになっちまったんだわ。」
「えっ、え！？訳分からん〜。」
ベッドに寝転び、足をばたつかせて頭を抱え込んだ。
「...悪ぃ。記憶ねぇのに「勝己は悪いと...思ってんの？」」
「そ、そりゃ「私は嬉しいよ。初めての人が勝己やったんやな...って。」」
ガバッと跳ね起き、ニコッと微笑んでAは抱きついてくる。
「でも...記憶無いんも悔しいけど...勝己が悪い事したって思ってんのも嫌かもしれん。」
「...嫌？」
「好きな女やって抱いたんやったら悪いとか思わんといてよ。その時の私に...悪いやん？」
確かに...好きな女抱いた事に変わりはねぇな。
「お、おう。そう...だな。」
「じゃ...今から...私の事も...抱いて？」
「はっ、何言っ「恥ずかしいから...これ以上言わさんといてや。」」
横目で見たその顔は真っ赤に染まっていて...。
「抱かれた私に...自分やのにヤキモチ焼きたくないもん。」
モジモジとするAをベッドに押し倒し、「くそ可愛」と頭を撫でる。
「優しく...してな？」
俺は頷くと唇を重ね、「愛してんぞ。」と耳元で囁いた。
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2018年10月28日 0時
