たまたま１３ ページ2
「んな驚く事かよ？何気に傷付くわ。」
「あっ、いえ、その...すみません。」
「上鳴がてめぇに惚れとんのも知ってっけど、気持ちに嘘は付けねぇからな。」
ふわっと私をベンチに下ろし、自販機でホットコーヒーを買って手渡してくれた。
「ありがとう...ござ「別に上鳴を選んでも俺は構わねぇ。困らせるつもりは爪の先程もねぇっつう事だけわかっててくれや。」」
爆豪さんもコーヒーを買い、「くっそ眠ぃ。」と大きな欠伸をする。
「私の為にごめんな「お、居た、居た！探しただろ！？」」
電気がバタバタと駆け寄ってきて私の前にしゃがみ込んだ。
「A、俺の部屋の隣、空いてんだ。引っ越してこねぇか？」
「えっ、何よ急に...。」
「嫌じゃなかったら契約しようかと思ってんだけどよ、心配で堪んねぇから傍に居てぇの！」
「そ、傍に...って言われてもなぁ。」
無邪気に微笑む電気の頭をポンと叩き、苦笑いをした。
「まぁ、上鳴のマンションなら今んとこよりもセキュリティはしっかりしとんな。」
「爆豪さんまで。職場との兼ね合いもあるし、それに家賃も高いとこは無理やし。」
「家賃は俺が半分出すからよ！な？考えといてくれよ！」
私はとりあえず「わかった。」とだけ返事をしてその場は誤魔化した。
家に戻るともう何も居ないのはわかってるのに部屋の様子を伺ってしまう。
「...何してんねん、私。しっかりせんと〜！！」
気合いを入れる為に大声で独り言を言った。
戸締りを確認し、ベッドにゴロンと寝転び...爆豪さんの事と電気の事を考える。
爆豪さんと電気...。
何かもう色々と信じられへんな。
今をときめくヒーロー様２人が私の事が好きやとか。
こんな私の何処が良いんやろ？
電気は電気で...引っ越してこいって...。
あー、もうどうしたら良いんかな。
そんなことを考えながら、私はいつの間にか眠ってしまっていた。
ヴーヴーヴー。
スマホのバイブ音が聞こえ、目を開けずに手で辺りを探る。
中々止まらないところをみるとどうやら電話がかかっているらしい。
「ん〜、誰〜？」
睡魔で開かない目を無理矢理に開く。
「何やねん、もう。はい、もしも「その声...もしかして寝てた？」」
電話の主は電気。
「うん。んー、今何時？」
「もうすぐ12時半になるかな？」
「はっ？もうそんな時間なん！？」
めったに朝寝坊をしない私にしては有り得ない位に寝過ぎてしまった。
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2018年10月28日 0時
