猫７ ページ7
「へぇ、実家は大阪なんかよ？言葉ちげぇじゃねぇか。」
「...地元に戻ると関西弁に戻りますよ。大学からこっちだったので、自然と矯正されました。」
話してみると気さくで明るく、あっという間に時間が過ぎていく。
「あ！子猫の写真...でしたよね。」
「悪ぃ...長居しちまったな。」
「いえ、独り身の気楽なとこです。気を使わないで下さい。えっと、どうやって送りますか？」
スマホを手に持ち、小首をかしげて聞いてくる。
その仕草が可愛らしく見え、俺は(デクの女だろが！)と心で自分を恫喝した。
「...LINE...しとんのか？」
「してます。LINEで良いですか？」
「おう。」
その後LINEを交換し、無事に子猫の写真を入手。
「あの、貰い手探しまでしていただいて、ありがとうございます。」
「てめぇだと危なっかしくて見てらんねぇからな。ちったぁしっかりしろや。」
「所長にも...よく言われます。じゃ、おやすみなさい。」
「おう、おやすみ。」
にっこり微笑んで手をパタパタと振り、ゆっくりとドアが閉まった。
「今夜はお忙しいですか？」
仕事中の昼休み、AからLINEが届いた。
勅使河原っていう苗字は長くて呼びにくい為、下の名前で呼んでいる。
「特に用事は入ってねぇな。」
「ちょっと...お願いしたい事があって...。家具を少し動かしたいんです。」
「仕事終わったら連絡する。」
「はい、お願いします。」
最近は猫の事だけじゃなく、お互いの趣味や晩飯...いろんな話をLINEでする様になっていた。
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2018年2月3日 5時
