存在１０ ページ49
「待てや。」
Aの肩を押さえ付け、尖る唇にキスをしてやった。
「な...何すんよ。」
「チューして欲しいんかと。」
「ち、違うわ、アホ！」
「ちげぇんかよ。おら、逃げんな。...泊まっていけや。」
Aの肩に頭を乗せ、グリグリしながら言うと「甘えんな。」と頭を叩いて笑う。
「爆豪が...どうしてもって言うんなら、泊まっても良いよ？」
「...んな事言うかよ。」
「じゃ、また今度「俺と...一緒に居ろや。」」
「帰ろ「だぁぁぁっ！くそっ！...泊まってって...下さい。...これで良いんかよ？」」
「後のが余計やけどな。仕方ない、泊まってあげよう。」
惚れた弱み...っつうとこか。
悔しいがこいつに何を言われても...やっぱり許しちまう。
「...そう言えば爆豪って、明日休みなん？」
「んだよ、突然。」
「私って、爆豪のスケジュール知らんから。」
「つうか、一遍も聞かれた事ねぇわ。」
Aをソファに座らせ、カバンからスケジュール帳を取って投げ渡した。
「うわ...めっちゃハードスケジュール。」
「の、間にてめぇの面倒もみてたからな。感謝しろよ、くそが。」
キッチンへ行き、冷蔵庫から缶ビールを２本取ってソファに腰を下ろす。
「明日は確か...昼から雑誌の取材だけか。」
「で、飲もうって？」
「あのよ、俺は別にビールが好きな訳じゃねんだ。とりあえずで飲む事もあっけど、てめぇが好きだから用意してただけだわ。」
「え、そうなん？」
缶ビールを大切そうに両手で持ち、嬉しそうに微笑んだ。
「まぁ...てめぇに嫌われまいと必死だった...っつう事。」
「爆豪...そこまで私の事「おう。情けねぇ位に惚れとんな。」」
肩を抱き寄せ、「早よ飲め。」と笑いかける。
「私も、私も爆豪の事好き。ううん、大好き。」
「んな好き好きっつってっと...押し倒しちまうぞ。」
「...爆豪って、そんなスケベ...やったんや？」
呆れるAを横目に、鼻で笑って缶ビールを傾けた。
「ば、爆豪...寝られへんねんけど？」
「うっせ、俺は寝れっから黙って寝ろ。」
初めてAを腕の中に包み込み、ベッドに横たわっている。
今までしたくても出来なかった事が出来、俺は満足だが...Aは不服そうで...。
「違うねん。幸せで、でも緊張して...口から心臓出そうやねん。」
「出して見せろや、心臓。」
「出来る訳ないやろ！ムカつく！」
暴れるAをぎゅっと抱き締め、「幸せにし殺したるわ。」と耳元でそっと囁いた。
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2018年2月3日 5時
