存在８ ページ47
「...Aが俺の事...すぐに友達っつうから...適当に遊んでた...だけだわ。」
「あー、もう会ってもらわれへんのやろなって、次は断られるんやろなって...いっつも思ってた、私。」
マグカップをテーブルに置き、Aは膝を抱え込んで顔を埋める。
「爆豪が...好きって言うてくれたのを心のどっかで嘘やと思いたくなくて、私が他の男の人の話をすれば...また好きやって言うてくれへんかなって考えたのが...始まり。」
「完っ全に俺のフォロー入れ忘れが...原因じゃねぇか。」
あの後すぐに話しとけば済んでた訳で...自分の詰めの甘さに嫌気が差してきた。
てっきり俺が振られたもんだと...ずっとそう思い込んでた...。
「うちらお互い...好きやったん...やね。」
「...みてぇ...だな。...アホかよ。」
「うん、アホ...やわ。」
Aは顔を上げ、あははと楽しそうに笑う。
「もー、爆豪わかりにくいねん！」
「あ？てめぇも毎回...真実味のある嘘つきやがって！」
「...小説読んだり、ネットでネタ探してたから。リアリティ無いと、爆豪頭良いからバレてしまうもん。」
「バレろや！くそが！」
グイッと力強くAを抱き寄せ、頬に優しく唇を合わせた。
「んなら付き合う...か。」
「その前に...他の女の人...大丈夫なん？」
「あ、あー、今...電話して縁切るわ。」
「えっ、今！？」
スマホを手に取り、目の前で女に電話をして別れ話をする。
まぁ...罵詈雑言浴びせられ、ひたすら別れてくれるように頼み込んでやっと切る事が出来た。
「これで信用してくれるか？何ならスマホ、気ぃ済むまで調べろや。」
「...信用する。もうこれからは許さんから。」
「はぁぁぁ、んな事なら遊ぶ必要無かったっつぅ事じゃねぇかよ。何しとんだ、俺は。」
「もー、痛いって、爆豪〜。」
「暴れんな、抱き締めさせろや！」
腕の中で暴れるAにキスをしようとした時、昨日の事を思い出して原因を聞く。
「友達の彼氏やん。妊娠した彼女を無視し続けてるから腹立って、問い詰めようとしたら逃げられるし。ごめん、昨日は八つ当たり...した。」
「てっきりAの男だと...。」
「...今までの私の話聞いてたら、そう思うよな、普通...。」
ぎゅっと抱きつき「ごめん。」と上目遣い。
「あ...やべ...。」
「どした...ん？」
「くそ可愛い事すっから...こう...ムラっと...。」
そっと押し倒して頬を撫でると...思い切り抵抗されてしまった。
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2018年2月3日 5時
