桜６ ページ23
「あの...よ、俺の事好きだっつってくれたよな？んで...話してぇ事があんだ。」
真剣な目をし、コクリとゆっくり頷いた。
「嬉しい...正直、すげぇ嬉しくてよ。でも年齢差とか、Aは受験も控えてるし、恋愛なんかに現を抜かしてる場合じゃ...ねぇと思って。」
「つまり...それって「や、最後まで聞いてくれよ、な？」」
前のめりになり、結論を急ごうとするAの頭を撫でる。
「好きなら好きってよ、俺から...言わせてくんねぇか？俺...こんな状況慣れてねぇし、何っつえば良いのかわかんねぇけど...。」
そこまで言うと全身から一気に汗が吹き出してきて、また深呼吸をした。
そしてAの手を握りしめ...。
「A、す、好きだ。だから...俺と...俺と付き合って下さい！！」
固く目を瞑り、Aの返事を待つが...一向に声が聞こえてこない。
(ふ、振られんのか...俺？昨日のは...嘘だと...か？)
そーっと目を開けてAの顔を見ると、目をパチパチとさせ、唖然としている。
「おい...A...？」
「えっ、あ...ごめん、もう１回言って...下さい。私の...聞き間違いかと。」
「も、もう１回！？さっきので...気力使い切っちまったぜ。」
「...私が...好きって...本当？」
「お、おう。」
「付き合うって...本当？」
「聞き間違いなんかじゃねえよ。ちゃんと聞こえてんじゃねぇか。」
満面の笑みでAの頭をわしゃわしゃと撫で回す。
「うっ、嬉...し...い。嬉しいよ...ぉ〜！！」
「おっ、おわっ！」
目から涙をこぼし、思いっ切り俺に抱きついてきた。
女の子に抱きつかれたのは初めてで...どうすれば良いのかわからず、硬直して固まる。
(こ、こういう時...爆豪なら抱き締め返したり...すんだろな。)
頭の中でそんな事を考えながら、Aが落ち着くのをひたすら待ち続けた。
「友達...がね、初恋は...絶対実らないって。だから絶対に振られると...思ってたの。」
真っ赤な目を手で擦り、はにかむ様に微笑む。
「でもよ、条件が一つだけあんだ。」
「...何？」
「ちゃんと勉強して、ちゃんと高校に受かる事。」
「...それなら心配いらないよ。」
桜を見上げ、「雄英に行くから。」と一言。
「ゆ、雄英に！？」
「うん。これでも成績優秀なんだよ。雄英の推薦狙ってるんだ。」
(ま、マジか...よ。雄英に...推薦！？)
轟や八百万が頭に浮かび、俺はマジマジとAの顔を眺めてしまった。
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2018年2月3日 5時
