短編集僕のヒーローアカデミア２ (ページ40)

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たまたま１上鳴電気ページ40

「あー、退屈。」

今日は仕事が昼までで終わり、真っ直ぐ帰れば良いのに真夏の昼下がりにブラブラと街を散策して歩いている。

日傘で日差しを防いでいても、アスファルトからの照り返しがキツく...思わず眉間にシワが寄ってしまう。

「...暑ぅ。お茶でもしよ。あ、すみません！」

「あ、いや、俺もぼーっと...。」

道路を渡ろうと方向転換したら、金髪のチャラそうなお兄ちゃんとぶつかってしまった。

その人は謝る私の顔を見つめたまま黙っていて...正直気持ち悪い。

「し、失礼しま「A！？A...だよな！？」」

「な、何するんですか！？離し「俺！上鳴電気！ほら、中学ん時...同じクラスだったろ！？」」

上鳴電気...確かに聞き覚えのある名前...。

日傘を持つ手を掴まれ、ニコニコと笑うそいつの顔をじっと睨み付けた。

「...アホで、単細胞で...チャラい上鳴電気？」

「うはっ、その言い方！傷付くんだからな！！」

目を輝かせて「久しぶりじゃん！」と手を振り回される。

「わ、わかったからやめて。振り回さんといてや！」

「悪ぃ！いや〜、綺麗になっちゃって！俺は嬉しいぜ！」

「何であんたが嬉しいねん。んで、今をときめくヒーロー様が昼間から暇そうやね。」

何故か照れ笑いをする電気はピタッと真顔になり、道路を渡って手招きをしてきた。

「何か用「お茶奢るから！外暑ぃし！」」

「怖ぁ、見返り要求されんちゃう？」

「しねぇから！早く来いよ！」

２人で静かな雰囲気の喫茶店に入り、涼しい室内にホッとため息をつく。

「Aこそ...何してんだよ？つうか、今は何してんの？」

「電気とお茶。」

「そういう意味「普通の会社員。今日は休日出勤やったから半日で終わった。」」

運ばれてきたアイスコーヒーを一気飲みする勢いで飲み、拗ねた顔の電気を見てほくそ笑む。

「会社員かぁ。大人になったんだな〜。」

「そりゃもう22やで？あんたは相変わらずアホっぽいけど。」

何て言いながら...中学の頃とは全く違う電気に少しドキッとした私。

背は伸び、体は一回りも二回りも大きくなって...いかにも男らしい、いやヒーローらしくなっていて...。

「そんなに見ないで、電気穴開いちゃう〜。」

くねっとぶりっ子ポーズを取り、つぶらな瞳を向けてきた。

「...開くわけないやろ。むしろ開けて見せてや。」

ドキッとしたのを後悔しつつストローに口をつける。

「A、この後は暇？」

テーブルに両肘を付き、楽しそうな声で訊ねてきた。