短編集僕のヒーローアカデミア２ (ページ26)

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翌朝、目が覚めると爆豪はまだ気持ち良さそうに眠っていて...起こさない様にそっとベッドから降りた。

朝食はいつもコーヒーだけの私。

「爆豪...何か食べるんかな？」

ホットコーヒーをすすりつつ、寝顔を見て呟く。

「...俺にもコーヒー。ブラックで。」

「あ、ごめん、起こした！？」

「コーヒーの匂いで目ぇ覚めた。」

ググッと大きく伸びをし、欠伸をしながら起き上がった。

「先に服...着たら？」

「あー、後で風呂に入るからめんどくせぇ。」

「そういう問題？はい、コーヒー。」

朝から爆豪の裸体を見るのは...刺激が強い。

思わず昨日の行為を思い出し、照れ臭さに顔をパタパタと手で扇いだ。

「朝っぱらから...何考えとんだ？」

「な、何も考えてないよ！」

「嘘付け、顔が赤ぇわ。」

「あっ、あぁっ、遅刻する！早く着替えんと！！」

バンッとわざと慌ただしくクローゼットを開け、洋服を選び始める。

爆豪がククッと笑っているのが背中越しに聞こえてきて、また顔が熱くなってくるのを感じた。

「か、帰りは１２時前になるよ。外出するなら、スペアキーは玄関の靴箱の上やから。」

「会社は何処にあんだ？」

「堺...やけど。堺の大仙公園の側。何で？」

「単に興味だな。おら、早よ行け、遅れんぞ！」

時計を見ると間もなく９時になろうとしている。

「あ、うん！行ってきます！」

チェストの上に置いていたカバンをひったくる様に持ち、振り返らずに玄関を飛び出した。

「よし、後は絵を書けば「そっ、外に...外に爆心地が居ます！！」」

同僚の釈さんが血相を変え、大声をあげて私に抱きついてくる。

「は？爆心地！？」

「今ゴミを捨てに出たら立ってたんです！！見間違いなんかじゃありません！！」

かなり興奮気味の釈さんを宥め、そう言えばこの人はヒーローオタクだったなと額に手を当てた。

の、前に...何勝手に人の会社に来てるねん！

鼻っから来るつもりで朝に場所聞いてきたんか...。

「ど、どうしましょう！？爆心地はここに用事があるんでしょうか！？」

「さ、さぁ？たまたまちゃうかな？」

「たまたまって、何のたまたまですか！？」

「とりあえず落ち着こか？な？」

コンコン！！

事務所のドアをノックする音に嫌な予感は的中。

「サーセン、A...居ますか？」

「キャア！！爆心地！！キャア！！え...Aって...Aさん！？」

頬を押さえて騒いでいた釈さんはビクッとして...小難しい顔を私に向けてきた。