銭湯１９ ページ18
出し巻き卵を作り、キュウリの浅漬けを切っておじいちゃんに手渡す。
「Aも飲むか？」
「...少し...だけ。」
「無理して飲むなや？」
勝己さんはグラスを傾け、美味しそうにお酒を飲んでいる。
「大丈夫。少しだけだから。」
「そうかよ。んなら、入れたるわ。」
おじいちゃんと私のグラスにお酒を注ぎ、自分のグラスにもなみなみと注ぐ。
「勝己くんと何か仲良いなぁ〜。」
おじいちゃんはニヤニヤと笑って、出し巻き卵を１口。
「おう。付き合う事にしたからな。」
「...勝己くんとAが...か？ほぉ！そりゃ、めでたい！」
カチン！と勝己さんのグラスにグラスを当て、一気にお酒を飲み干した。
「爺さん、倒れちまうぞ。んな飲み方すんなや。」
「おじいちゃん、二日酔いになっちゃうよ！」
「これが飲まずにおられるか！そうか、そうか〜！」
上機嫌でお酒を飲み続けたおじいちゃんは更に酔っ払い、テーブルでうとうと居眠りをし始める。
「A、爺さん部屋に運ぶわ。」
軽々とおじいちゃんを抱き上げ、奥の部屋へと運んでくれた。
「ありがとう、勝己さん。」
「んな位何でもねぇよ。あー、酔っちまった。」
居間の畳に大の字になり、大きな欠伸を一つ。
私は洗い物を済ませて、勝己さんの隣に腰を下ろした。
「くっそ眠ぃわ。ちょっと膝借りる。」
待ち受けていたかの様に抱きついてきて、膝枕で居眠りをする。
誰かに膝枕なんてした事ない私は緊張でガチガチになりながら、ほんのり頬が赤い勝己さんの寝顔をそっと観察。
サラサラの髪、綺麗な色白の肌、鼻は高くて目は切れ長で...。
あ、まつげ長い。私より長いかも...。
本当にイケメンだなぁ。整い過ぎてて怖い。
意外と幼い寝顔に思わず「可愛い。」と呟いてしまった。
「んなジロジロ見んな...や。」
スッと薄目を開き、眠そうに私のお腹に顔を擦り付けてくる。
「勝己さん...くすぐったい。」
「...落ち着く。すっげ...心地良い。」
酔っているからか、眠いからなのか？
しきりに甘える様な仕草をし、安心しきった顔でまた眠りにつく。
勝己さんって...甘えたさんなのかな？
暫く寝顔を眺めていると寝返りを打ち、伸びをして起き上がった。
「かっ、勝己さんっ！？」
「Aも...寝んぞ。」
私を胸にきつく抱き、ゴロンと腕枕で倒れ込む。
「ちょっ、寝「嫌かよ？」」
「こんな所で寝たら風邪ひ「一緒に寝てぇんだわ。」」
拗ねた口調で話し、眠そうな目をして優しく微笑んだ。
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2018年3月25日 16時
