短編集僕のヒーローアカデミア２ (ページ1)

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銭湯２ページ1

(て、照れていらっしゃる...可愛い。)

強面、ヴィラン顔負けの迫力という、何だか恐ろしいイメージがついている爆心地。

意外な１面が見れてラッキー！と番台の中で握りこぶしを作った。

「つうか、素っ裸ん時に聞いてくんなや。」

「...え？」

ニヤッと笑い、爆心地は後退りを始め...爆心地の爆心地が...丸見え...に。

「あっ、ご、ごめんなさい！し、下は履かれてるものだと！」

「あ？もうんなモン見慣れた「み、見慣れてません！恥ずかしい...です！」」

「耳まで真っ赤...すげぇな。」

ククッと笑う声が聞こえ、私は顔が暑くて暑くて...。

目の前にある雑誌で顔を扇ぎ、ため息をついた。

背中に聞こえるバサバサという布の音。

その音を聞いてると...爆心地の爆心地が勝手に頭に浮かんでくる。

(な、何考えてんの、私...。)

雑誌で顔を覆い隠し、ブンブン頭を振っていると「何をしとんだ？帰るわ。」と肩を軽く叩かれた。

「あっ！あ、あ、ありがとう「からかって悪かったな。」」

頭に血が上ってしどろもどろな私に微笑み、爆心地は帰って行く。

ガラガラと引き戸が閉まり、その音と同時に番台の上に突っ伏した。

(恥ず...かしい。明日からどんな顔してここに座れば...良いんだろ...。)

「...じゃあな。」

「...っ！？」

閉まったと思っていた引き戸はちゃんと閉まってなくて、隙間から爆心地の意地悪そうな笑顔...。

「あ、ありがとうございましたっ！！」

「おう。」

そっと引き戸を閉め、遠ざかっていく影がすりガラス越しに見える。

(も、何！？恥ずかし過ぎる！！...でも、爆心地って...あんな顔も出来る...のか。)

惚けた様に動けなくなり、しばらくの間ぼーっと引き戸を眺め続けていた。

「いらっしゃいま...せ。」

「大人１人。んで、これ...食うか？」

数日振りに来た爆心地は、番台の上に小さな可愛らしいお菓子の箱を置いた。

「こ、これって確か...ウラビティ監修の限定スイーツですよね？なかなか手に入らないって...。」

「俺を舐めんな。これ位手に入るっつうの。おら、440円。」

小銭を番台に並べ、さっさと脱衣場に行ってしまった爆心地。

１度は食べてみたいと思っていたお菓子を貰えて嬉しいものの、どうしてこんな貴重な物をくれたのか全く検討が...つかない。

「ま...いっか。うわぁ、嬉しい！」

箱を手に取り、番台の奥へ大切に大切にしまい込んだ。